台風の接近や上陸が多い日本では、家庭での備えが被害の軽減に直結します。
各家庭でしっかりと台風対策をしておくことで、自宅や家族のほか、近隣住民に被害が出ることも予防しやすくなるからです。
今回は全国の男女500人を対象に、台風対策についてのアンケート調査を実施。
「実際に行っている台風対策」「やっておけばよかったと後悔した台風対策」について聞きました。
- 調査対象:全国の男女
- 調査期間:2025年7月26日~27日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:500人(女性344人/男性156人)
- 回答者の年代:20代 20.2%/30代 34.6%/40代 23.4%/50代 15.6%/60代以上 6.2%
台風対策を毎回行っている人は38.6%

台風対策を毎回行っている人は38.6%で、半分に達しませんでした。
「ときどき行っている」と答えた人が48.8%と最も多くなっています。
台風の強さや予想される進路に応じて、対策の有無を決めている人も多いことが伺えます。
なお台風対策をほとんど行っていない人の理由としては、「なるようになる」「台風が来ても困ることがない」などが挙げられました。
台風対策で行っている家の備え1位は「屋外の荷物を片付ける」

「台風対策で行っている家の備え」を聞いたところ、圧倒的1位は「屋外の荷物を片付ける(59.2%)」で、60%近くの人から回答を集めました。
風で物が飛ばされるリスクが最も重視されているとわかります。
続いて、2位「食品を準備する(22.6%)」、3位「水を準備する(22.2%)」、4位「充電しておく(21.8%)」がランクインしています。
複数の対策を実施している人も多く、台風対策としては「風雨から人や家を守る備え」のほか、「断水や停電などへの備え」も重要だと考え、対策している人が多いとわかりました。
1位 屋外の荷物を片付ける
- ベランダのサンダルや物干し竿を家の中に入れる(30代 女性)
- 植木鉢を倒れたり落ちたりしない場所へ移動させる(40代 男性)
- 庭の整理をして、飛びそうなものは片付けています(50代 女性)
1位は「屋外の荷物を片付ける」でした。
庭やベランダに「植木鉢」「自転車」「スリッパ」「物干し竿」などの荷物を置いてあると、台風による強風で飛ばされてしまう可能性があります。
重たい荷物や大きな荷物が飛ばされると、人や家に損害を与えかねません。
自分の家や家族が傷つくだけではなく、近所の人や通行人など、第三者に怪我をさせてしまうことも考えられます。
そのため普段は屋外で保管している小物類を、屋内に入れて台風に備える人も多くなりました。
スペースさえあれば比較的簡単に実施できる対策です。
2位 食品を準備する
- 交通に影響が出たときのことを考えて、非常食を用意しておく(20代 女性)
- パンなど、無調理で済ませられる食品を購入する(30代 女性)
- 長期間外出できない場合に備えて、食料を買い込む(40代 男性)
2位は「食品を準備する」でした。
台風時には風雨が強く危険で、買い物に出られないこともあります。
また買い物に行けたとしても、物流が停止しているなどの事態になれば、お店に商品が少なくなってしまうことも。
上記のような事態に備えて、食べ物を準備する人も多くなりました。
「非常食」「調理不要なパン」といった回答もあったことから、ガスや電気が使えない状況でも食べられる食品がとくに重宝されるとわかります。
3位 水を準備する
- 水のペットボトルを多めに買うことです(30代 女性)
- 水をペットボトルに溜める(40代 男性)
- 断水時に備えて、浴槽に水を溜めています(50代 女性)
3位は「水を準備する」となっています。
断水への備えとして、水を確保しておくという人もいました。
水を確保しておくことは、台風の影響下でも日常生活を継続するために必要な行動です。
ペットボトル飲料を始めとする飲料水の確保はもちろん重要ですが、トイレや洗濯用の生活用水を確保しておくことも、大切な台風対策のひとつだという認識が伺えました。
生活用水の確保方法としては、浴槽に水を溜めておく人が多くなっています。
4位 充電しておく
- 停電に備えて充電できるものはすべて100%にし、モバイルバッテリーも充電。車のガソリンも満タンにして、万が一充電がなくなった場合も車でできるようにしておく(20代 女性)
- 停電に備えてモバイルバッテリーを充電。太陽光の蓄電池もフルにしておく(30代 女性)
- バッテリーで稼働する電化製品は、あらかじめすべてフル充電しておく(50代 男性)
4位は「充電しておく」でした。
台風による停電に備えて、「スマートフォン」「モバイルバッテリー」「充電式の家電」を充電しておく人も多くなりました。
停電しても充電が完了していれば、しばらくは照明や通信手段・情報収集手段を確保できます。
車からの充電を想定して、ガソリンを満タンにしておく人もいました。
台風の前に、比較的簡単に実施できる対策です。
5位 懐中電灯を準備する
- 懐中電灯を各部屋にひとつは置いているので、停電が起きても大丈夫です(20代 女性)
- 懐中電灯やランタンに乾電池を入れて、いつでも出せる用意をしておく(40代 男性)
- 停電時のために、懐中電灯をいろいろな場所に置いている(50代 女性)
「懐中電灯を準備する」が5位です。
懐中電灯を準備しておいて、停電時の光源を確保しておく人もいました。
スマホでもライト機能を使えますが、「スマホは情報収集や安否確認の連絡に使いたいので、スマホのバッテリーは節約したい」と考えれば、懐中電灯を別で用意しておく必要があります。
「各部屋にひとつは懐中電灯がある」など、いつどこで停電しても安心できる環境を整えている人もいました。
また停電時に懐中電灯を探さなくてもいいように、使いやすい場所に置いておくことも重要です。
「懐中電灯の電池をチェックしておく」という回答もあり、懐中電灯をただ用意しておくだけではなく、使える状態にあるかチェックを怠らない人もいました。
6位 雨戸を閉める
- 雨風が強くなる前に雨戸を閉める(40代 女性)
- 窓ガラスが割れないよう、雨戸を閉める(40代 男性)
- 台風が来るときは、2階も雨戸を閉める(50代 女性)
「雨戸を閉める」が6位になりました。
窓に雨戸がついている住宅に住んでいる場合、台風に備えて雨戸を閉める人も多くなっています。
雨戸を閉めることで、風雨から室内を守りやすくなり、飛来物があったときにも窓ガラスの破損・飛散を防ぎやすくなるからです。
「台風が来るときは2階も閉める」という回答からは、普段は使っていない雨戸も、台風時には活用している様子が伺えます。
風雨が強くなってから雨戸を閉めるのは大変なので、本格化する前から閉めておくという工夫も寄せられています。
7位 窓ガラスの飛散を予防する
- 風が強そうな台風の日は、カーテンをしっかり閉じ、必要に応じて窓割れ防止を行います(20代 女性)
- 雨戸がないので、大型台風が来るときは段ボールを窓に貼っています(40代 女性)
- 大型で非常に強く危険な台風のときは、すべての窓ガラスにビニールテープを貼ります。飛来物が当たったときにガラスが飛び散らないようにするためです(40代 男性)
7位は「窓ガラスの飛散を予防する」でした。
窓ガラス飛散の予防方法としては、5位の「雨戸」があります。
ただ、雨戸がついていない住宅や窓もあります。
上記のような場合に、「飛散防止フィルム」「段ボール」「テープ」などを使って、窓ガラスの飛散を防止している人もいました。
窓ガラスが飛散すると室内でガラスを踏んで怪我をするリスクがあります。
屋内からフィルムなどによって補強することにより、窓ガラスが割れても、破片が室内に飛び散るのを防ぎやすくなります。
8位 屋外の荷物を固定する
- カーポートが飛ばないよう、ロープなどで固定している(20代 女性)
- 家庭菜園をしているので、飛ばないように固定しています(30代 女性)
- 屋外の飛びそうなものを縛ったり、重いものを乗せたりして、飛ばないように対策します(60代以上 男性)
8位は「屋外の荷物を固定する」でした。
屋外にあって、屋内への収納が難しいものもあります。
例えば「カーポート」「サイクルポート」「物置」などのエクステリアや、バイクなどです。
上記のようなものについては、固定して、風に飛ばされることや倒壊を防ぐ人も多くなりました。
対策していないと、荷物そのものが壊れてしまったり、荷物が飛んだり倒れたりして周囲に被害を与える可能性があります。
台風対策でやっておけばよかった家の備えは「屋外の荷物を片付ける」

「台風対策でやっておけばよかった家の備え」の第1位は「屋外の荷物を片付ける(29.4%)」でした。
以下、2位「屋外の荷物を固定する(12.6%)」、3位「雨戸を設置する(8.0%)」、4位「食品を準備する(4.4%)」、5位「戸締りを確認する(3.0%)」の結果です。
「屋外の荷物を片付ける」「屋外の荷物を固定する」など、ものが風で飛ばされることを防がなかったせいで、後悔した人が多くなっています。
また「まさか大きな荷物が飛ぶとは思わなかった」「食べ物を買うのが遅くなり、近隣のスーパーやコンビニで売り切れになっていた」など、台風の被害や影響を侮っていて後悔したという体験談も見られました。
1位 屋外の荷物を片付ける
- 「風通しの悪いところに置いてあるから大丈夫だ」と思っていた傘立てが、台風で倒れて割れてしまい、破片の片付けが大変だった(20代 女性)
- いつも車の横に置いていた自転車を移動すればよかった。車に倒れて傷がついてしまった(30代 男性)
- 飛ばないだろうと思っていた鉢植えが倒れていたことがあったので、今は鉢植えも片付けるようにしている(40代 女性)
1位は「屋外の荷物を片付ける」でした。
「風で屋外に置いてあった荷物が飛んだ」「倒れて破損したり、他のものを傷つけたりした」といった実害が発生したことで、後悔した人が多くなりました。
自転車や鉢植えなど、日常的に外に置いている荷物が原因となるケースが目立っています。
大きな被害はなかったものの、「鉢植えが転がってしまい、土が散乱して掃除が大変だった」という声も。
対策をしなかった理由としては、「まさか飛ばない・倒れないだろう」「大丈夫だろう」という油断があります。
「屋外の荷物を片付ける」は「台風対策で行っている家の備えランキング」でも1位になっており、後悔したからこそ、今はきちんと対策をしている人もいました。
2位 屋外の荷物を固定する
- 自転車を固定しておけばよかった(20代 男性)
- テント状のサイクルポートが飛んでいってしまいました。もっとしっかり重りを置くなどの対策が必要でした(40代 女性)
- 庭に置いているラティスの金具が緩み、強風でバラバラになり飛ばされてしまいました。ネジをしっかり締めておけばよかったと思いました(50代 女性)
2位は「屋外の荷物を固定する」でした。
「自転車」「バイク」「サイクルポート」「ラティス(木製の柵)」などが風で飛んだり、倒れて壊れたりして、後悔した人も多くいました。
「重りを置いておけば」「金具を締めておけば」など、ちょっとした手間をかけなかったばかりに、後悔につながった例も多くなっています。
実際に被害はなかったものの、「カーポートの支柱を立て忘れていて、風が強い間中不安でたまらなかった」という声も。
しっかり対策しておくことで、安心感が増すとわかります。
3位 雨戸を設置する
- 窓ガラスがめちゃくちゃ汚くなったので、雨戸をつけておけばよかった。うちは窓が大きく数も多いので、拭き掃除が本当に大変だった(30代 女性)
- 賃貸なので勝手にはつけられないが、雨戸があればよかったと思う。台風の強風が窓に当たると大きな音がして、寝れないことが多いから(30代 女性)
- 雨戸はないので、大型台風のときは少し怖い思いをしたことがある(40代 男性)
3位は「雨戸を設置する」となっています。
雨戸やシャッターをつけていない窓があり、「つけておけばよかった」あるいは「雨戸がある家を選べばよかった」と後悔している人も多くなっています。
雨戸やシャッターを設置していない窓について、台風時に「割れるのでは」といった不安が起こるからです。
また雨戸があることで風雨による音の影響も軽減でき、台風後の窓の拭き掃除も楽になります。
雨戸・シャッターがない理由としては、「賃貸」「建売で、もともと2階には雨戸がなかった」「家を建てるときに、今は雨戸をつけないと言われた」などが寄せられています。
4位 食品を準備する
- 想像の倍以上、食料を確保しておけばよかった(20代 女性)
- 食材を買い込み忘れて、大雨の中買い物をする必要があった(30代 女性)
- 一人暮らしをして初めての台風時、近所のスーパー・コンビニをすべて回りましたが、棚が空で食料が手に入りませんでした。普段から外食が多くて自炊することもなかったので、冷蔵庫の備蓄などはなく、ほぼ丸一日断食をする羽目になりました(30代 男性)
4位は「食品を準備する」でした。
買っておいた食品の量や、買い物のタイミングを誤ったことへの後悔が寄せられました。
例えば速度の遅い台風など、台風の影響が予想より長引くことも考えて、余裕をもって食べ物を用意しておく必要があります。
また台風の直前に買い物に行くとすでに食料品や水が店舗にないこともありますし、台風の中買い物に行くのは危険です。
後悔をもとに、今後大きな台風などの災害が予見されるときには、しっかりと準備をするという学びを得た人もいました。
5位 戸締りを確認する
- いつも開けているドアを、閉め忘れてしまった(20代 女性)
- 窓の鍵を閉めていなくて、風で窓が少し開いて、雨が少し入ってきた(30代 男性)
- 雨戸を閉め忘れて、ガラスが割れた(40代 男性)
「戸締りを確認する」が5位になりました。
台風時に「ドア」「窓」「雨戸」を閉め忘れ、実際に室内が濡れたり、ガラスが割れたりする被害を経験した人もいました。
「いつも開けているからつい忘れた」などの、うっかりミスもあります。
また窓を閉めたつもりで鍵をかけていないと、強風で窓が開いてしまい、雨が吹き込むこともあるとわかりました。
まとめ
アンケートの結果、台風対策としては、屋外の荷物の片付けや固定といった風による飛散防止策を実施している人が目立っています。
「やっておけばよかった対策」でも屋外の荷物の片付けや固定が上位に挙がっており、重要性と影響の大きさが強く認識されているとわかりました。
今まで飛んだことがないから大丈夫だろうと思っていたのに、大きな荷物などが思わぬ強風で飛んだり倒れたりして後悔した人も多くなっています。
また風雨が強くなってからでは、買い出しや荷物の移動・固定は大変です。
アンケートからは、台風が来るとわかった時点での早めの行動や、普段から日持ちする食料品や水を備蓄しておくことが重要であることも浮かび上がりました。
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