風呂で自殺が起きたらすぐやるべき対処
風呂場で自殺が起きたらまず以下の3つのことを行いましょう。
- 救急・警察に連絡する
- 必要に応じて特殊清掃業者に連絡する
- 区役所に死亡届を提出する
日常生活において遺体を発見することなどまずないでしょう。
ですから実際そのような場面に出くわすと、パニックに陥り、何をすべきか判断できなくなってしまいます。
だからこそ、ここで説明する3点をしっかり頭に入れ、非常時にも冷静に動けるようにしておきましょう。
救急・警察に連絡
風呂場で自殺を発見した際は、基本的には救急と警察の両方に連絡してください。
自殺直後であれば救急に連絡することで、助かる命があるかもしれませんし、警察を呼んで、自殺の現場や遺体を調査してもらい、本当に自殺かどうかを判断してもらう必要があるためです。
ただし、遺体が腐敗しているなど、外見から明らかに死亡していることがわかる場合は、救急に連絡する必要はありません。
もし、救急に連絡するか迷った場合は、地域の救急相談窓口に連絡して判断をあおぎましょう。
自分が住む地域の救急相談窓口の連絡先は、ネットで「救急相談窓口 市町村名」で調べるか、役所の医療課などに連絡すれば教えてもらえます。
参照元:総務省(救急車利用マニュアル)
なお、遺体を発見した時は以下の2点に注意してください。
- 遺体の周囲にある物に無暗に手を触れない
- 死臭が気になるからといって換気扇を回さない
遺体の周囲にある物を触ってしまうと、上述した警察の死因調査に影響を及ぼしてしまう恐れがあるためです。
また、換気扇を回すと死臭が近所に広がり、近隣住民からあらぬ噂(ただの自殺なのに殺人事件が起きたなど)を立てられる恐れがあります。
余計な騒ぎを起こさせないためにも、換気扇は回さない方が無難です。
風呂場に限らず自殺を発見した際は、独断で余計なことをせずに直ちに救急・警察へ連絡しましょう。
発見が遅れた場合は特殊清掃業者に連絡
風呂での自殺の発見が遅れた場合は、特殊清掃業者に連絡しましょう。
遺体発見が遅れ、長期間遺体が放置されていた場合、血液や体液、死臭で部屋が汚染されています。
そのため、特殊清掃により室内の臭いや汚れを除去する必要があります。
特殊清掃とは、特殊な洗剤などを使い、遺体の体液や血液で汚れた建物の壁や床の汚れ、また、臭いを除去するための清掃のことです。
特殊清掃業者はネットで「特殊清掃業者 (お住いの市町村名)」で検索すると近くの業者を確認できます。
特殊清掃の費用は風呂場だけであれば10万円前後です。基本的に清掃の範囲が広くなるにつれ、費用も高くなります。
なお、特殊清掃が行えるのは、警察による死因調査が終わった後ですので、警察が調査している間に業者に連絡しておくのが良いでしょう。
特殊清掃の概要については、以下の記事で詳しく解説しています。
7日以内に死亡届の提出
自殺に限らず人が死亡した際は、7日以内に死亡届を役所に提出する必要があります。
実際、戸籍法で以下のように定められています。
戸籍法 第86条
死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない。引用元:戸籍法第86条
死亡届の提出先や記載内容など、詳細は以下の通りです。
手続を行える人 | 親族・同居者・家主・地主・家屋管理人・土地管理人等・後見人・保佐人・ 補助人・任意後見人・任意後見受任者 |
---|---|
提出先 |
|
提出可能時間 | 届け先の営業時間による |
記載内容 | 死亡地の住所、届人の住所、死因、病院名など |
手数料 | なし |
死亡届の提出は先述の通り、戸籍法で定められた義務ですので、もし正当な理由なく提出しないでいると、罰則金5万円を科される恐れがあります。
実際、戸籍法第137条で以下のように定められています。
戸籍法 第137条
正当な理由がなくて期間内にすべき届出又は申請をしない者は、五万円以下の過料に処する。引用元:戸籍法第137条
身内が亡くなると精神的ショックから、何も手につかないかもしれませんが、死亡届は忘れずに提出するようにしてください。
風呂で自殺が発生した物件でも売却・賃貸利用は可能
風呂で自殺が起きた物件でも売却や賃貸利用をすることはできます。
ただし、自殺が起きた物件は事故物件(詳しくは次項で解説します)として取り扱われます。
そのため、売却や賃貸として貸し出す際には、自殺が起きたことを買主や貸主に告知する義務(告知義務)があります。
もし告知義務を怠ると、法的なペナルティを課される恐れもあります。
それでは、以下で事故物件や告知義務とはどのようなことか、また、告知義務に違反するとどうなるのかについて、具体的に解説していきます。
事故物件の告知義務については、以下の記事で詳しく解説しています。
風呂で自殺が起きたら『事故物件』として認知される
風呂などで自殺が起きた建物は、「事故物件」として取り扱われます。
事故物件とは上記画像にあるように、殺人や自殺、孤独死などにより、住居人が死亡した物件のことを指します。
このような、売却にあたり、買主が物件の購入をためらうような事柄のことを心理的瑕疵(かし)といいます。
参照元:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関する ガイドライン」
自殺が起きた事故物件は心理的瑕疵により買主が購入を見送るケースが多いため、通常の物件と比べて売却することが難しくなります。
実際、弊社が独自に1000人に行ったアンケートでも70%以上の方が事故物件には住みたくないと答えています(下記円グラフ参照)
自殺が起きた事故物件の売却・賃貸利用時には告知義務が生じる
事故物件を売却・賃貸利用する際は、買主と貸主は、売主と貸主に対して「告知義務」が生じます。
告知義務とは、売却する物件に欠陥(瑕疵)がある場合、売主は買主にその内容を伝えなければならないというものです。
さきほど説明した自殺が起きたなどの心理的瑕疵も買主に告知しなくてはなりません。
事故物件の売却に告知が必要な理由は「事故物件であれば購入しなかった」など、売買契約を結ぶうえで事故物件であるかどうかが大きな判断材料の1つとなるためです。
告知事項は売買契約書に記載(下記「物件状況報告書」の赤枠参照)し、不動産会社を介して買主に伝えます。
具体的には、自殺の場合は「発生した日時」「発生した場所」「特殊清掃が行われたか」などを記載します。
では、もし告知義務を果たさないとどのようなリスクがあるのかについては、次項で解説します。
また、事故物件の定義や告知義務の期間などについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
告知義務を怠ると契約不適合責任を負うことに
事故物件の告知義務を怠ると買主から「契約不適合責任」を負わされる恐れがあります。
契約不適合責任とは、売買契約書に記載されていない不具合や欠陥が売却後に見つかった場合、売主が買主に対して負う責任のことです。
仮に、風呂場で自殺が起きた事実を知らせずに売却してしまうと、売主は買主から契約不適合責任を問われ、契約解除や損害賠償を求められる恐れがあります。
実際、首つり自殺があったことを知らせずに物件を売却した売主が、買主に640万円の違約金の支払いを命じられた判例もあります。
参照元:一般財団法人不動産適正取引推進機構|心理的瑕疵に関する裁判例について
事故物件を売却後、買主から契約不適合責任を問われないためにも、自殺の事実は隠さず必ず売主に告知しましょう。
なお、弊社Albalinkにご依頼いただけば、売主の契約不適合責任を免責して事故物件を買い取ることができます。
売却後まで物件の責任を追及されたくない方や、告知事項を漏らさず伝えれれる自信がない方はぜひ弊社に売却をご依頼ください。
契約不適合責任については、以下の記事で詳しく解説しています。
風呂で自殺が発生した物件の売却相場は安価になる
風呂で自殺が起きた事故物件の売却相場は通常の物件より安くなります。
当然のことですが、好んで事故物件を購入する方は少なく、需要が低いためです。
実際に、「事故物件への入居」に関するアンケート調査でも、心理的瑕疵がある代わりに賃料の値引きを求められるケースが多いことがわかります。
上記は賃貸物件を対象にしたアンケート調査ですが、居住用の事故物件に相応の値引きを求められるのは売買も同様です。
基本的に、周辺相場の「約3〜5割」まで、価格は下落します。
ただし、3〜5割の値下げはあくまで目安で、実際の売却価格は「物件の状態」と「立地」によっても左右されます。
そこでこの章では、具体的にどのような「物件の状態」や「立地」であれば値下げ幅が大きくなってしまうのか、あるいは小さくて済むのかなどを解説します。
事故物件の売却相場の下落幅が大きくなるケース
「遺体発見が遅れた場合」や「立地が不便な物件」は下落幅が大きくなります。
遺体発見が遅れることで血液や体液が壁や床にがこびり付きます。
特殊清掃で汚れを落としても、遺体で室内が激しく汚れたという事実は消せません。
その事実が買主に物件に対してマイナスの印象を与えてしまうため、どうしても大幅に価格を下げないと売却できません。
なお、夏は冬より遺体が腐敗するスピードが速くなるため、死後数日であっても特殊清掃が必要になる場合があります。
また、事故物件でかつ、立地が悪い物件も需要が少ないため、価格が大きく下がってしまいます。
具体的には以下の条件にあてはまる物件は立地が悪いといえます。
- (都会の場合)最寄駅や市街地まで徒歩10分以上
- (地方の場合)最寄りのICや市街地まで車で10分以上
遺体が長期間放置されるなど、大きなマイナス要因がある物件や、立地が悪い物件はどうしても相場より大幅に売却価格が下がってしまいます。
事故物件の売却相場の下落幅が小さいケース
「早期に遺体が発見された場合」や「好立地な事故物件」は、下落幅を抑えられます。
死後、遺体が速やかに回収された場合は物件への損傷が少ないためです。
また、事故物件であっても駅や市街地までのアクセスが良い物件は需要が高くなります。
具体的には以下のような立地の物件を指します。
- (都会の場合)最寄駅や市街地まで徒歩10分以内
- (地方の場合)最寄りのICや市街地まで車で10分以内
たとえば、「自殺により遺体が長期間放置され、なおかつ最寄り駅まで徒歩20分の物件」と「自殺が起きたが翌日に遺体が回収され、なおかつ最寄り駅まで徒歩5分の物件」であれば、大抵の方は後者を選択するでしょう。
このように、風呂などで自殺が起きた物件でも、早期に遺体が発見された物件や、最寄り駅などへのアクセスが良い物件は、売却価格の下落幅を抑えることができます。
風呂のリフォームをしても事故物件の売却相場が上がることはない
たとえ、風呂で自殺が起きた事故物件でも、リフォームすれば一般の物件と変わらない相場で売却できるのではないか、と思う方もいるかもしれません。
しかし、たとえリフォームを行っても、事故物件の売却相場が一般の物件レベルにまで上がることはありません。
なぜなら、風呂をリフォームしたとしても、人が自殺したという事実は残りますし、告知義務も残るためです。
見た目が一新されても、買主が心理的抵抗を感じる事実がある限り、売却価格が高額になることはありません。
ですから、リフォームを行う場合は必ず事前に担当の不動産業者に相談し、意見を聞くようにしましょう。リフォームしたところで売れなければ、リフォーム費用がまるまる赤字になってしまうからです。
なお、専門の不動産買取業者に依頼すれば、事故物件であってもそのままの状態で買い取ってもらえます(その理由は次章で解説します)。
売主が費用負担をしてリフォームを行う必要はありません。
弊社Albalinkもそのままの状態で事故物件を買い取ることができます。
費用をかけず事故物件を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
風呂で自殺が起きた物件でも専門の買取業者なら相場より高額で売却可能!
買主から敬遠される事故物件でも専門の買取業者に依頼すれば、相場より高額で売却できる可能性があります。
不動産買取業者は物件を買い取り後、自社でリフォームなどを行い、再販・運用することで利益を得ています。
そのため、再販コストを圧縮できる分、買取価格に上乗せする形で還元できるのです。
専門の不動産買取業者であれば、事故物件であってもできる限り高値、かつ現況買取に対応してもらえます。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)も事故物件に強い専門の買取業者です。
自殺などが起きた事故物件の売却でお困りの方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。
無料査定・無料相談は365日対応しております。
弊社Albalinkの事故物件の買取事例
ここまで、事故物件の売却先は専門の不動産買取業者が最適であるとお伝えしてきました。
そこでこの章では、弊社Albalinkを例にとり、実際の事故物件の買取事例を紹介します。
弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような事故物件を多数買い取ってきました。
実際、弊社は下記のように「孤独死」「自殺」「溺死」などさまざまな事故物件を全国から買い取っています。
上記の買取金額を見ていただけばわかる通り、弊社は事故物件であっても物件全体の価値を適切に評価し、適正価格で買い取っています。
実際、事故物件をはじめ、弊社に物件の買取依頼をしていただいたお客様からは「思った以上の高値で買い取ってもらえた」「もっと早く依頼すれば良かった」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
そのため、事故物件というデリケートな対応が求められる物件も、売主様のプライバシーを守りながら、速やかに高値で買い取らせていただきます。
信頼できる買取業者に安心して事故物件を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
【大家向け】賃貸物件の風呂で自殺が発生した際は遺族に対し損害賠償請求を行える
賃貸物件の借主が風呂で自殺した場合、大家は以下のような大きな経済的損害をこうむります。
- 管理する賃貸物件が事故物件になってしまい、次の借主が見つからない
- 借主を見つけるために賃料を下げるなどの対応を取らざるを得ない
そのため大家は、故人の遺族や連帯保証人に対して損害賠償請求を行うことができます。
身近な人が亡くなった遺族などに対し、損害賠償請求を行うのは気が引けるかもしれません。
しかし、心情的な問題と、物件が受けた損害を賠償してもらうことは別の問題です。
あなたの賃貸物件を守るためにも、お悔みは伝えた上で、請求すべきことはしっかり請求しましょう。
以下で、具体的な損害賠償請求額の算出方法や、実際に損害賠償請求が認められた事例を紹介しますので、ご確認ください。
事故物件の損害賠償責任については、以下の記事でも詳しく解説しています。
請求できる損害賠償額の算出方法
先述したように借主に自殺され、管理する物件が事故物件になってしまった場合、大家は故人の遺族や連帯保証人に対して損害賠償請求を行えます。
具体的には以下の3点を請求できます。
- 明け渡しが完了するまでの家賃
- 原状回復費
- 部屋の価値が下がったことに対する補償
例えば家賃が月額8万円で、入居者が自殺してから3ヶ月後に退去が完了し、その後3年間は家賃を2万円下げることになった場合、請求できる損害額の目安は以下の通りです。
項目 | 金額 |
---|---|
家賃8万円×3ヶ月分 | 24万円 |
原状回復費用 (畳や壁紙の貼り換え、エアコン交換など) |
80万円 |
自殺による家賃の低下分2万円×3年 | 72万円 |
損害賠償額の合計 | 176万円 |
上記のように、損害額の算出が終わったら、遺族や連帯保証人との交渉に入ります。
ただし、損害賠償請求のようなお金が絡む話になると、やはり交渉は一筋縄にはいきません。
交渉に慣れていない素人同士で協議しても、上手く話しがまとまらないことがほとんどです。
そのため、損害額の取り決めは弁護士を通して行うことをおすすめします。
専門家を間に入れて協議した方が無用なトラブルを未然に防げます。
実際に損害賠償が認められた事例
前項で損害賠償請求ができるとお伝えしましたが、「損害賠償請求ができるといっても、実際にどれだけの金額を補償してもらえるのか」が気になる大家の方もいるでしょう。
そこで、実際に風呂で自殺した故人の相続人に対し、250万円の損害賠償請求が認められた2010年の事例を紹介します。
賃貸物件で住居人が浴槽にてリストカットを行い、死亡した事例
自殺により大家はユニットバスの交換費用が発生し、賃貸減額の被害を受けたとして、故人の相続人に対し以下の損害賠償を求めた。
- 風呂場のクリーニング費及び内装取替え費用として150万円
- 賃貸減額分として330万円結果、上記合計480万円のうち、130万円を除く(※理由は後述)250万円の損害賠償請求が認められた。
なお、上記事例で130万円が認められなかったのは、風呂場に関係のない箇所を修繕し、その分も損害費用として請求していたためです。
しかし、これは逆を返せば、自殺に関連する損害であれば、損害賠償請求を行えばしっかり補償されるということです。
身内が亡くなった遺族に対して損害賠償の請求はしづらいかもしれませんが、大家の正当な権利ですので、弁護士に間に入ってもらい、冷静に進めましょう。
まとめ
今回は風呂場での自殺を発見した際、取るべき行動や、自殺が起きた物件をなるべく高値で売却する方法などを解説しました。
また、管理する賃貸物件の風呂場で自殺が起きた際に、大家が遺族に対して請求できる損害賠償についてもお伝えしました。
記事で解説したように、風呂場で自殺が起きた物件は事故物件扱いとなってしまうため、売却も賃貸利用することも難しくなってしまいます。
事故物件は、売却や賃貸利用に際し、自殺などで人が亡くなった事実をを買主や借主に告知しなくてはならず、その事実が、買主や借主に物件を購入したり借りることを躊躇させてしまうためです。
ですから、もし自殺などが起きた事故物件をスピーディーかつ、なるべく高値で売却したいのであれば、専門の不動産買取業者に依頼することをお勧めします。
専門の不動産買取業者であれば、事故物件であっても利用価値を見出し、適正価格で買い取ってくれます。
特に弊社Albalinkは訳アリ物件専門の不動産買取業者ですので、事故物件の再販ルートや人脈を豊富に持っています。
そのため、他社で断られた事故物件であっても問題なく買い取れます。
「事故物件をできる限り高く売却したい」「事故物件を所有する不安や負担から一刻も早く解放されたい」そのような方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。