家を選ぶ際、自家用車を所有している人にとって重要になるのが駐車場の使いやすさです。
新居に引っ越したあと、駐車場の使いにくさにストレスを感じる人も少なくありません。
今回は自宅に駐車場がある500人にアンケートを実施。
「自宅の駐車場に関する不満」や「駐車場に追加したい設備」について聞きました。
- 調査対象:自宅(マンション含む)に駐車場がある人
- 調査期間:2024年11月8日~13日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:500人(女性298人/男性202人)
- 回答者の年代:20代 23.0%/30代 33.0%/40代 25.8%/50代以上 18.2%
住まいを選ぶ際に駐車場を重視した人は72.8%
住まいを選ぶ際に駐車場を重視したかを聞いたところ、「とても重視した」「まあ重視した」が合わせて72.8%にのぼりました。
車通勤などの場合は、自宅の駐車場を使う頻度も高くなります。
日々使う場所であるため、重視する人も多いのでしょう。
また家族のうち複数人が車を所有している場合は、台数が確保できるかも確認する必要があります。
自宅の駐車場の使い勝手に「とても満足している人」は1割以下
自宅駐車場の使い勝手に関しては、「とても満足している」と回答した人はわずか7.2%でした。
「まあ満足している」を合わせても、家選びの際に駐車場を重視した人の割合(72.8%)よりも、満足している人は低くなっています。
つまり駐車場を重視して選んでも、不満が出てしまうことも多いとわかりました。
自宅の駐車場の不満1位は「入出庫しにくい」
自宅の駐車場に関する不満の圧倒的1位は「入出庫しにくい(185人)」でした。
2位「スペースが狭い(71人)」も多くの票を集めています。
「入出庫しにくい」「狭い」「遠い」など、使いにくさを挙げた人が多くなりました。
1位 入出庫しにくい
- 前の家との距離が近く、一度切り返して出ることが多い。また隣家の車の車高が高く、左右から車が来ているか確認できないのが不便です(20代 女性)
- 機械式なので、出し入れしにくい(40代 女性)
- 駐車場の出入口が幹線道路に面しており、週末や連休は混雑して出入りしにくい(60代以上 男性)
1位は「入出庫しにくい」でした。
入出庫しにくい理由は「左右が確認しにくい」「出入口が狭い」「前の道路が狭かったり混んでいたりする」「段差がある」などです。
左右が確認しにくいと、事故につながる可能性もあります。
また「機械式なので難しい」と答えた人も複数いました。
平面の駐車場なら白線を踏んでしまっても、隣に車がいなければ問題なく、何度か切り返せばいいだけです。
しかし機械式で位置がすれてしまうと、柱にぶつかったりパレットの縁にぶつかってしまったりします。
「機械式に入庫するときはまっすぐ後進」と言われますが、出入口前のスペースによってはまっすぐの状態までもっていくのに苦労することもあるでしょう。
2位 スペースが狭い
- 冬場に除雪場所の山が横にあるので、駐車スペースが狭くなる(30代 女性)
- 旗竿地で狭くなっているところがあるので、大きい車を購入できない(40代 女性)
- 奥行は十分あるが、幅が狭く軽自動車しか駐車できない(50代 男性)
「スペースが狭い」が2位でした。
スペースが極端に狭いと、駐車できる車種が限られます。
また「奥行はあるが、幅がない。縦列駐車になるのは辛い」「天井が低い」という声もあり、面積だけではなく形も重要だとわかります。
「子どもが車を持つようになったら、スペースが足りない」「入居当初は1台分だけでいいと思ったけれど、子どもの送迎などに使う車を買い足したのでスペースが足りなくなった」と答えた人もいました。
将来を見据えた駐車スペースの確保も重要です。
3位 駐車場までが遠い
- 玄関から少し歩くため、雨や雪のときに少ししんどい(30代 男性)
- 大型マンションなので、家から駐車場まで5分くらいかかる(40代 女性)
- 空いた場所に割り当てられるので、エントランスからの距離が遠い。近い人もいるが運次第(40代 女性)
「駐車場までが遠い」が3位。
駐車場までが遠いと、雨の日や、重い荷物を持ちながら歩いたり子連れで歩いたりするのが大変です。
大規模マンションだと敷地内でも駐車場まで数分歩くこともあり、マンションの駐車場で起こりやすい不満と言えます。
4位 屋根がない
- 屋根がないため、夏は暑く、冬は雪の心配があることです(30代 女性)
- 400戸あるマンションに住んでいて、4階建ての駐車場と平面の2種類があります。抽選で私は平面スペースに決まったので、住居スペースまで屋根がありません。雨の日でとくに荷物が多いときは不便です(50代 女性)
- 屋根がないので車が傷むこと(60代以上 男性)
4位は「屋根がない」です。
屋根がないと、駐車中の車が「風雨」「雪」「日光」などの影響を受けやすくなります。
また悪天候のときは、車に乗り込む前や降りた後に不便を感じる人も多いようです。
一方で「屋根はあるものの範囲が狭いので、濡れる」「屋根はあるが、塀がないので結局雨が吹き込む」という声もありました。
屋根をつけるときには、防ぎたいものをきっちり防げるか確認する必要があります。
5位 入出庫に時間がかかる
- 地下3階建ての立体駐車場なので、とにかく時間がかかる。隣人と使用時間が被ると最悪(30代 女性)
- 機械式駐車場のため、最上段の人が出庫した後に自分の車を出そうとすると、待ち時間が長い。出かけるときに車を降ろす時間も考慮しておかないと、間に合わないことがある(40代 男性)
- 朝や夕方など、一定の時間に入出庫する人が多くて、待ち時間が長い(50代 女性)
5位は「入出庫に時間がかかる」です。
マンションの機械式駐車場だと、入出庫に時間がかかることもあります。
時間がかかる理由は大きく分けてふたつです。
ひとつは、駐車している区画や機械式駐車場の性能によって、起動してから車が出てくるまでに時間がかかること。
もうひとつは朝の出勤時間帯や夕方の帰宅時に駐車場が混雑し、待ち時間が発生することです。
大規模マンションの機械式駐車場では、出入庫にかかる時間も考えて行動する必要があります。
6位 利用者のマナーが悪い
- 住宅街の道路沿いにありゲートなどがないので、時々マンションの住人でない人が勝手に停めていてイラッとする(30代 女性)
- 自分の駐車スペースの隣が、カーシェア用の駐車場になった。カーシェア利用者のマナーが悪く、ラインを踏んで駐車し帰ってしまうなど、迷惑している(40代 男性)
「利用者のマナーが悪い」が6位に入りました。
具体的なマナー違反としては「契約者以外の駐車」「ラインを踏んでいるのに入れ直さない」「駐停車すると邪魔な場所に駐車する」などが挙がっています。
また隣の区画を使っている人のマナーが悪く、「ドアパンチされそうで怖い」という声も。
まだ大きなトラブルになっていなくても、今後トラブルが起こる可能性もあり心配している人も多いでしょう。
駐車場そのものへの不満ではなく、「使っている人」に不満を感じている人も多いとわかります。
7位 駐車場が汚い
- カーポートの屋根が高く洗えないため、汚くなってきている(40代 男性)
- 細い道を挟んで立っている大きな木から、大量の葉っぱが落ちてくる。掃除が行き届いていないので、いつも駐車場が枯れ葉まみれ(40代 女性)
- 駐車場の管理が悪い。粗大ごみが捨てられたままになっている(50代 女性)
「駐車場が汚い」が7位となりました。
汚れる原因として「鳥のフン」「落ち葉」「樹液」「土埃」などが挙がっています。
「工場が近い」「駐車場の上に電線があって、鳥が止まる」「畑に近い」など、環境によっては駐車場が汚くなりがちです。
また清掃会社・管理会社によるメンテナンスが行き届いていないと、汚くなってしまいます。
自宅の駐車場に追加したい設備は「屋根」
「自宅の駐車場の不満」を聞いたところ、1位は「屋根(188人)」でした。
2位「防犯カメラ(146人)」、3位「広いスペース(137人)」も100票以上を集めています。
不満の1位は「入出庫しにくい」だったのに、追加したい設備としては入出庫に関係ない「屋根」が1位になるという結果に。
実際、不満としては「入出庫しにくい」と答えていたのに、「カーポートや屋根が欲しい」と回答した人も多くなりました。
2位「防犯カメラ」も、入出庫のしやすさには関係ありません。
入出庫のしにくさは立地や運転技術にもよるため、「設備でどうにかできるものではない」「ちょっと入れにくいけど慣れれば大丈夫」と考える人も多いのかもしれません。
1位 屋根
- 機械式の最上部は濡れるので、屋根が欲しい(40代 女性)
- 雨用に屋根が欲しいです。しかし自宅の真横に駐車場があるため、屋根をつくると部屋が暗くなりそうで困っています(50代 女性)
- 冬場に雪かきしなくてすむように、耐雪屋根が欲しい(60代以上 男性)
1位は「屋根」でした。
雨天時に屋根がなくて困っている人が多いとわかりました。
「子どもが生まれてから、屋根が欲しいと痛感する」という声もあり、ライフステージによって切実度が違うこともわかります。
また「雪に耐えられる屋根」という回答も複数あり、雪国では耐雪屋根・カーポートのニーズが高いとわかります。
雪国に欲しい駐車場設備として、ロードヒーティング(地面に埋めた機器で雪を溶かす設備)を挙げた人も8人いました
2位 防犯カメラ
- 最近はホイールの窃盗など犯罪が多いため、防犯カメラがあると安心(10代 女性)
- 駐車場でボールを使って遊んでいる中学生がいるので、何かあったときのために防犯カメラ(20代 女性)
- 犯罪・いたずら対策のため、すべての駐車スペースが確実に映る防犯カメラの設置が必須(60代以上 男性)
「防犯カメラ」が2位でした。
防犯カメラの必要性を感じたきっかけとしては、「犯罪やいたずらの発生」「不審者の侵入」「ゴミ放置などのマナー違反」が挙げられています。
すでに防犯カメラはあるものの「数が少ないので、全部のスペースをカバーできるように強化してほしい」という声も複数ありました。
大切な財産である車を傷つけられたり、自分の駐車スペースにゴミを持ち込まれたりしたとき、うやむやになるのはストレスが溜まります。
「車を守るための抑止力が欲しい」「トラブル時、迅速に解決したい」という意識をもつ人が多いとわかります。
3位 広いスペース
- バイクの駐車スペースを確保したい(20代 男性)
- 車両同士の間隔を広げてほしい。区画間の区切り線を、一本線ではなくU字型にしてほしい(30代 女性)
- スペースを拡張して、車を整備できるようなガレージにしたい(50代 男性)
「広いスペース」が3位。
「スペースが狭い」という不満に対応した回答です。
「1台あるいは1家族分のスペースを広くしたい」という声もあれば、「隣との間隔を広げてほしい」という声もありました。
「入出庫しにくい」という不満をもっている人からも回答を集めたため、駐車場が狭いせいで入出庫に苦労している人も多いと推測できます。
またマンションでは、駐車場全体のスペース拡張を求める人も。
例えば「入居者全員分の駐車場を確保してほしい」「ゲスト用の駐車場を増やしてほしい」と言う声がありました。
4位 照明
- 防犯用のセンサーライト(40代 女性)
- 建物の裏になっているため、小さくてもいいので灯りが欲しいです(40代 男性)
- 夜間はとくに見にくいので、敷地入口にライトや目立つポールのようなものがあるといいなと思います(50代 女性)
4位は「照明」です。
ライトがあると視認性が高まって事故防止に役立つのはもちろん、犯罪やいたずらの抑止効果も期待できます。
後付けできるソーラーセンサーライトは数千円~2万円程度で販売されていますので、比較的取り入れやすい設備です。
今後住宅を購入し、エクステリアを考えるのであれば、出し入れの邪魔になりにくい地中埋め込み式のライトなども検討してみてはいかがでしょうか。
5位 ガレージミラー
- 横と後ろがぶつかりそうだし、人が出てくるのも怖いので、ミラーを設置してほしい(20代 女性)
- 駐車場入口に鏡が欲しい。道路に出るとき見通しが悪いので(30代 女性)
- ミラーです。横からくる車を確認できるようにしたいです(60代以上 男性)
5位は「ガレージミラー」です。
入出庫時に左右や後方を確認するためのミラーを求めている人も多くなりました。
出入口が狭かったり、駐車場に通じる道の交通量が多かったりする場合には、事故防止のために欲しい設備ですね。
塀や柱に後付けできるガレージミラーは、数千円程度から販売されています。
個人宅の駐車場にミラーをつける場合は、取り付ける塀や柱の強度に注意しましょう。
また自宅や駐車場の敷地内に収まるかもチェックしておく必要があります。
まとめ
自宅駐車場については、入出庫のしにくさに不満を感じている人が多いとわかりました。
また個数や駐車場数が多い大規模マンションなどでは、「入出庫に時間がかかる」「駐車場までが遠い」という不満も起こりやすくなります。
駐車場を重視して家を選んだのに、実際には不満を抱えている人も多くなっています。
住居の購入や引っ越しを考えている方は、駐車場の使い勝手を十分チェックしておく必要があるでしょう。
マナーに不満をもっている人も多かったので、既存の物件に入居する場合には、「駐車場がきちんと手入れされているか」「住民のマナーはどうか」もチェックしておくといいですね。