あなたが住んでいるマンション・アパートのゴミ置き場には、トラブルや困り事がありますか?
誰でも週数回程度は使い、臭いや汚れが気になりやすい場所でもあるので、何らかの不満を抱いている人もいるでしょう。
今回はマンション・アパートにお住まいの498人にアンケートを実施。
「マンション・アパートのゴミ置き場のトラブル」について聞きました。
- 調査対象:マンション・アパートにお住まいの方
- 調査期間:2024年8月31日~9月4日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:498人(女性351人/男性147人)
- 回答者の年代:10代 0.8%/20代 24.5%/30代 39.8%/40代 22.5%/50代 9.4%/60代以上 3.0%
ゴミ置き場のルールが守られているマンション・アパートは71.5%
マンション・アパートにお住まいの498人に「お住まいのマンション・アパートではゴミ置き場のルールが守られていますか」と聞きました。
その結果、「守られている」「まあ守られている」と答えた人が71.5%にのぼりました。
多くの集合住宅では、ルールを守って暮らしている人が多いとわかりました。
ただし詳しい回答を見ていると、「ゴミ捨てルールは守られている」と答えた人の中にも、ゴミ置き場のトラブルを経験した人は多くいました。
例えば「カラスにゴミを荒らされる」「マンションの住人以外が不法投棄するのを目撃した」などは、マンション・アパートの住人がルールを守っていても、発生してしまうトラブルです。
また管理会社・管理組合による注意喚起や監視カメラの設置でトラブルが減った例もあり、「過去にはルール違反があったけれど、今はない」というマンション・アパートもあるようです。
マンション・アパートのゴミ置き場で発生するトラブル1位は「指定日以外のゴミ出し」
ゴミ置き場で発生するトラブルの圧倒的1位は「指定日時以外のゴミ出し(212人)」、2位の「ゴミが分別されていない(168人)」も多くの票を集めました。
3位は「動物に荒らされる(50人)」となっています。
上位の「指定日時以外のゴミ出し」「分別できていない」「動物に荒らされる」などは、マンションやアパート以外でもよく発生するトラブルです。
一方マンション・アパートならではのトラブルとしては、「住人専用のゴミ置き場なのに、住人以外が捨てに来る」などが挙げられます。
1位 指定日時以外のゴミ出し
- 指定日の1日前からゴミが置かれていることもあります(10代 男性)
- 指定日以外にゴミを出す人が多いので、ゴミが腐って臭いがする(40代 女性)
1位は「指定日時以外のゴミ出し」でした。
例えば指定日以外に生ゴミを出してしまうと、時間とともに臭いがきつくなり周囲の人が困ることもあります。
「前日からゴミを出す人がいるので、汚い」などの声もありました。
また、ゴミを捨てていい時間帯が決められているマンション・アパートで、時間を守らない人もいるようです。
ただ時間に関しては「時間を守っていない人はいるが、指定日は守っているので大きなトラブルにはならない」という声もありました。
2位 ゴミが分別されていない
- 分別はかなりずさん。ペットボトルと生ゴミがまとめられていることもある(30代 女性)
- 分別を間違えていて、回収業者が持っていってくれなくて、残っている(40代 女性)
2位は「ゴミが分別されていない」でした。
「可燃ゴミの中に資源として回収すべきものが入っている」などの回答が寄せられています。
故意なのか分別ミス・認識不足なのかは不明ですが、ゴミが回収されずに残ってしまい、周りが困ることも多いとわかりました。
3位 動物に荒らされる
- ゴミを出したあとにカラスや猫に荒らされて、家の前がぐちゃぐちゃになることがある(20代 女性)
- 住人同士のトラブルはないが、カラスがよく集まるので対処が難しい(30代 男性)
3位は「動物に荒らされる」です。
猫という人もいましたが、圧倒的にカラスと答えた人が多くなっています。
「ネットをかけていても、カラスがネットの中まで入り込んで荒らす」という声もあり、対応に苦慮している様子が伺えます。
「ネットのかけ方が悪い」「ネットをかける前に出してしまう人がいる」など、ゴミの出し方に問題があるパターンもありました。
4位 粗大ゴミのルールを守らない
- 引っ越しの際に、粗大ゴミを置いていく(20代 女性)
- 粗大ゴミ処理券を貼らずに粗大ゴミを出す(30代 男性)
- 粗大ゴミにシールが貼られておらず、放置されている(60代以上 女性)
「粗大ゴミのルールを守らない」が4位でした。
粗大ゴミを捨てる際、多くの自治体では別途申し込みをしてからシールなどを貼って粗大ゴミの指定場所に出すようになっています。
しかし「粗大ゴミが、可燃ゴミ置き場に放置されている」という回答がたくさん寄せられました。
いつまでの回収されずに放置されているという声もいくつかあり、マンション・アパートや街の美観を損ねていると推測されます。
5位 臭いが気になる
- 夏場は臭いが気になる(30代 女性)
- 瓶の内側に食品などが残っていて、異臭がする。24時間ゴミ捨てOKだが、「なるべく収集直前に出すように」と言われている。しかし常にゴミが出ていて、臭いが気になる(30代 男性)
- 汁物がゴミ袋から漏れて、ゴミ置き場が臭う(40代 女性)
5位は「臭いが気になる」です。
夏など暑い時期は、ゴミ捨て場の臭いが気になりやすいですね。
「食品容器をきちんと洗えていない」「袋が破けて、中身が露出している」など、ゴミの出し方に問題があり、臭いの問題が大きくなっているケースもあります。
24時間ゴミ捨てOKでも毎日収集には来てもらえない場合、収集日前に出されたゴミが臭ってしまいます。
同率5位 ゴミが溢れる・散乱する
- ゴミ箱が溢れているのにつめこみ、結果的にゴミが散乱する(20代 男性)
- プラゴミの日は量が多く、ゴミ箱に入りきらなくて困るときもあります(30代 女性)
- 土日や祝日が増えると、ゴミ出し場にゴミが溢れて不衛生になる(40代 女性)
「ゴミが溢れる・散乱する」も5位でした。
ゴミに対してゴミ置き場が小さかったり、引っ越しなどで大量にゴミを出す人がいたりして、ゴミが溢れて困っているケースも多いようです。
また「ゴミ袋をちゃんと閉じていないので、ゴミが散乱している」「ゴミ袋に入れず捨てていく人がいる」というコメントもありました。
悪質な住人やずさんな住人がいて、ゴミが散乱しているケースもあるとわかります。
7位 出す場所が違う・出し方が雑
- 乱雑に置かれている(20代 男性)
- ゴミ置き場がなく、各自の駐車場にゴミを置くルールです。駐車場を契約していない人は所定の場所に出すルールですが、人の駐車場に黙って置く人もいます(30代 女性)
- ゴミによって置き場所が異なるので、場所を間違えるパターンがある(40代 女性)
「出す場所が違う・出し方が雑」が7位です。
ゴミによって出す場所が違うので、悪意はなく単純に間違っているというケースもあります。
ただ「ゴミ捨て場の中ではなく外に置いていく」「コンテナを開けて中にゴミを入れるのではなく、前に放置していく」など、ずさんな例もありました。
カラス除けのネットを無視して置いていく人がいるため、カラスに荒らされてしまうといった声も寄せられています。
8位 住人以外が捨てに来る
- マンション専用と決められているが、他マンションの住人や一戸建て住まいの人がゴミを捨てていた(20代 女性)
- 住人のみゴミ出し可となっているが、道路のすぐ近くにあるため、他人や通りがかりの人が適当にゴミを捨てていく。住人は全員ゴミ出しルールを守っていると思う(30代 女性)
- マンション専用ゴミ置き場に、部外者が捨てている(40代 男性)
「住人以外が捨てに来る」が8位です。
マンション・アパートのゴミ捨て場は、敷地内に設置され住人専用となっていることも多いです。
しかし住人以外がゴミを捨てている場面を目撃した人もいました。
住人以外がゴミを捨ててしまう理由としては「人通りが多い」「近くにコンビニがあり、買ったものをポイ捨てしていく」などが挙げられています。
ゴミ置き場のトラブルに対して取られている対策は「ルールの周知・注意喚起」
「ゴミ置き場で発生するトラブルに対し、現在実施されている対策」を聞いたところ、ダントツは「ルールの周知・注意喚起(228人)」でした。
ただ「何度が注意喚起のお知らせはあったが、あまり改善していない」など、効果については疑問の声もありました。
また2位「何もされていない(110人)」も全体の2割以上を占めています。
以下3位「管理人が再分別・掃除(93人)」、4位「清掃業者が再分別・掃除(31人)」と続きます。
注意喚起、再分別、清掃など、管理会社や業者が対応しているマンション・アパートが多いとわかります。
「ずっと注意喚起はされていて、最近監視カメラもついた」というコメントもあり、段階を踏んで対応している管理会社や大家さんもいると推測できます。
また「注意喚起と、管理人による清掃や再分別が行われている」など、複数の施策がとられているマンション・アパートも多くなりました。
ゴミ置き場のマナー違反を見かけても「何もしない」が51.4%
「ゴミ置き場のマナー違反を見かけたらどうするか」という問いには、「何もしない」と回答した人が51.4%と半数以上にのぼりました。
次に多かったのは「管理人・管理会社に連絡する(38.0%)」です。
直接注意すると住人同士のトラブルになる可能性もあることから、「何もしない」「管理会社に対応をお願いする」と答えた人が多くなっています。
トラブルになるのが嫌なので、自分でできる範囲なら人のゴミでも掃除したり片付けたりする人も。
また「知っている人だったらやんわり声をかける」など、相手によって対応を変える人もいました。
ゴミ置き場のトラブルをなくす方法は「ルール周知・注意喚起」
「ゴミ置き場のトラブルをなくすにはどうすればいいと思うか」と聞いたところ、最も多かった回答は「ルール周知・注意喚起(239人)」でした。
2位「監視カメラの設置(134人)」も100票以上と、多くの票を集めました。
3位「住人のモラル向上(90人)」、4位「ゴミ置き場の清掃(33人)」が続きます。
「監視カメラの設置」「ゴミ置き場のリニューアル」などハード面の整備も挙げられましたが、全体的には「注意喚起」「モラル」「コミュニケーション」などソフト面での対応に期待する人が多くなっています。
1位 ルール周知・注意喚起
- ルールの周知。外国籍の住人も多くて「正確にルールが伝達されていないのでは?」と感じているので、契約時にルールの説明を徹底してほしい(30代 女性)
- ルールを周知し、ゴミ出しマナーの悪い人がいる場合、お知らせなどを掲示板に貼って注意喚起する(40代 男性)
- トラブルが多い事案について、回覧板や掲示板等で注意喚起する(50代 男性)
1位は「ルール周知・注意喚起」でした。
「ルール周知・注意喚起」については効果を疑問視する声もあったものの、対策の基本と考えている人が多いと伺えます。
ルールを知らなくてマナー違反をしてしまっていた人なら、注意喚起されることで間違いに気づけるからですね。
また日本語が苦手な外国人に向けて、丁寧な周知を求めた人もいました。
ゴミ捨て場に「曜日ごとに出していいゴミの種類」を貼りだしておくとわかりやすい、というアイデアも寄せられています。
2位 監視カメラの設置
- 監視カメラの設置しかないと思います。見られている意識があれば改善されると思います(20代 女性)
- あまりにもひどいようなら監視カメラの設置が必要だと思います(30代 女性)
- カメラを設置して違反者がわかるようにする(40代 男性)
2位は「監視カメラの設置」でした。
監視カメラに期待する効果としては、「見られていると思うと違反が減る」という抑止力が挙げられています。
抑止力を重視している人の中には、監視カメラはダミーでもいいという意見もありました。
一方、すでに監視カメラはあるが改善していないという声も。
抑止力に期待するなら、監視カメラがあることを周知するのも重要だと考えられます。
またルール違反をしている住人の特定や、侵入者・ゴミ持ち去りの監視に使うという意見もありました。
3位 住人のモラル向上
- ひとりひとりの心がけだと思います(30代 男性)
- 住んでいる人の暮らし方だと思う(60代以上 女性)
3位は「住人のモラル向上」です。
「注意喚起の貼り紙がなくても、違反はない」というマンション・アパートに住んでいる人もいます。
一方でモラルが低ければ、注意喚起されたり監視カメラがあったりしても「ルールを守ろう」と思えないので、十分な効果が期待できません。
他人の考え方を変えるのはなかなか難しいので、「そもそも住人のモラルが高そうな物件を選ぶしかない」という意見もありました。
4位 ゴミ置き場の清掃
- トラブルの問題にもよるが、やはり清潔に保てばきれいに使ってくれると思います(20代 男性)
- ゴミステーションの清潔度を上げる(40代 女性)
- 散らかす人のルールやマナーは注意しても改善しないと思うので、清掃頻度を増やすしかないのかなと思います(50代 女性)
「ゴミ置き場の清掃」が4位でした。
ゴミ置き場がこまめに清掃されていると、臭いや汚れなどの問題は起きにくいと考えられます。
また「ゴミ置き場がきれいなら、きれいに使おうという気になるのでは」という意見もありました。
ただ住民がゴミ捨て場の掃除をすることがトラブルの元になっているマンションもあり、「清掃は管理会社や清掃業者に任せたい」という人もいました。
5位 住人間のコミュニケーション
- ゴミ出しの分別に関しては、違う文化圏で生活されていた方々が問題となっていたため、コミュニケーションをもっと取り、ルールを知ってもらうことが大切だと思いました(30代 男性)
- 住民間のコミュニケーションは、案外効果があると思う。人の目を気にするようになったら、ゴミもちゃんと置く気がする(40代 女性)
5位は「住人間のコミュニケーション」です。
住民同士のコミュニケーションがあると、お互いに「見られている」「知られている」という意識をもつようになります。
「見られている」という意識が、ルール違反の抑制につながると考えている人もいました。
またゴミ出しのルールがわからなくて困っている人に対しても、日常的なコミュニケーションというソフトな形でルールを伝えられます。
6位 ゴミ置き場のリニューアル
- パスワードや鍵などを設置して、住民以外が使用できないように徹底する(20代 女性)
- ゴミ置き場を広くして出しやすくする(30代 男性)
- 分別しやすくわかりやすいゴミ捨て場を設置すれば、トラブルは減ると思う(40代 女性)
6位は「ゴミ置き場のリニューアル」でした。
具体的には「広くする」「ボックスタイプにする」「ゴミ別の置き場所をわかりやすくする」「鍵・扉付きにする」などです。
例えば指定日時以外は施錠されるゴミステーションであれば、指定日以外のゴミ出しやゴミステーション内へのポイ捨ては防ぎやすくなるでしょう。
ネットではカラス対策が不十分な場合は、コンテナやボックスタイプのゴミ箱も効果があります。
7位 違反者へのペナルティ
- ゴミを決められた通りに出さなければペナルティ(30代 女性)
- モラルのない入居者を突き止め、退去してもらう(40代 男性)
「違反者へのペナルティ」が7位です。
ペナルティを与えるには違反者を特定する必要があるため、監視カメラと併用するとコメントしている人が多くなっています。
ペナルティの具体例としては、罰金や退去などが挙げられました。
ただ過去の判例などを見ますと、ゴミ捨てのマナー違反だけで強制退去させるのは難しいと考えられます。
まとめ
マンション・アパートのゴミ置き場では「指定日以外のゴミ出し」「分別が不十分」といった問題が起こりやすくなっています。
24時間ゴミ出し可能なマンションでも、収集日前に生ゴミを出すことで臭いや虫の発生につながり、困っている人が多いようです。
対策については「注意喚起」「監視カメラ」などが挙げられました。
ただ対策がとられているのに、改善していないマンション・アパートもあります。
ハード面の整備も重要ですが、「明文化されたルールはもちろん、お互いが住みやすいようマナーも守る」といった、ひとりひとりの心がけが重要です。