ペットと一緒に暮らす時間は、癒しや楽しさを与えてくれます。
一方で、住まいの中では困りごとに直面することも少なくありません。
今回は男女500人にアンケートを実施し、「ペットと暮らす家での困りごと」について調査しました。
- 調査対象:ペットを飼っている人
- 調査期間:2025年8月27日~29日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:500人(女性373人/男性127人)
- 回答者の年代:20代 25.4%/30代 35.8%/40代 23.0%/50代 13.2%/60代以上 2.6%
ペットと快適に暮らすために家で配慮していることは「床材にこだわる」

ペットを飼っている500人に「ペットと快適に暮らすため、家で配慮していること」を聞いたところ、1位は「床材にこだわる(37.6%)」で、40%近くになりました。
2位「室温を管理する(22.4%)」、3位「きちんと整理整頓する(17.0%)」が続きます。
上位の回答は大きく「住まいそのものへの配慮」と「日常の心がけ」に分けられます。
住宅設備だけではなく、飼い主自身の工夫によって飼い主・ペットにとっての快適な住環境を保とうとする姿勢が見られました。
例えばペット用マンションで住宅設備が整っている場合でも、掃除を怠っていれば快適な環境にはならないので、設備と心がけのどちらも大切です。
1位 床材にこだわる
- 足腰に負担がかからないように、クッションマットを使用(30代 女性)
- 床材は掃除しやすいもの(40代 女性)
- 私がペットと快適に暮らすために配慮していることは、床材を滑りにくいものにすることです。理由は、ペットが走り回る際に滑ってケガするリスクを減らすためです(50代 男性)
1位は「床材にこだわる」でした。
ペットと暮らすうえでは、床材への配慮を大切にしている人が多くなりました。
現在の住宅で多いフローリングは、ペットにとって滑りやすい素材です。
元気に走り回る犬や猫が滑ってしまい、身体を痛めてしまう危険性があります。
そのため、クッション性があるマットなど、滑りにくい床材を選ぶ人が多く見られました。
また床に粗相してしまうこともあるため、汚れても掃除しやすい素材という視点で選ぶ人もいます。
2位 室温を管理する
- ハムスターを飼っているため、1日中エアコンで空調を保ち、健康を気遣っております(20代 男性)
- 暑いときには冷房、寒いときには暖房をつけるなど、温度調整・管理をしている(30代 女性)
- 夏はエアコンをつけっぱなしにして、部屋が暑くなりすぎないようにする(50代 女性)
2位は「室温を管理する」でした。
人間以上に暑さや寒さの影響を受けやすいペットもいます。
とくに子犬・子猫や持病のあるペットなどは温度変化に敏感で、急激な温度変化や暑すぎたり寒すぎたりする環境が健康に悪影響を及ぼすことも。
そのためエアコンで室温を一定に保つなど、季節ごとに適切な温度調整をするよう心がけている飼い主さんが多くなっています。
「外にいても自宅の室温をチェックできるシステム」を導入した人もいました。
3位 きちんと整理整頓する
- 床に物を置かないようにしている。すぐに掃除ができるというのもあるし、ペットが誤飲してしまうのを防ぐためにしている(20代 女性)
- 誤食の危険がある小物や人間の食べ物は、手の届かない高いところに置く(50代 男性)
- 誤飲が一番怖いので、まず足元には何も置かず、整理整頓をして収納しています(50代 女性)
3位は「きちんと整理整頓する」でした。
整理整頓は人の暮らしを快適にするだけでなく、ペットの安全を守る大切な工夫です。
例えば床に落ちている小物や人間の食べ物をペットが誤飲してしまうと、命に関わる事故につながりかねません。
そのため「小物や食べ物をペットの手が届かない場所に片づける」「収納する」といった意識をもつ飼い主さんも多くなりました。
また床に物を置かないことで掃除もしやすくなり、ペットが遊ぶスペースも確保できます。
4位 こまめに掃除する
- 掃除しやすいように、カーペットなどは洗えるもの・拭けるものを選ぶ(20代 女性)
- 抜け毛が気になるためこまめに掃除機をかけたいが面倒なので、ロボット掃除機を導入しています(30代 女性)
- 抜け毛が激しい猫なので、毎日ブラッシングと床掃除をしっかりしています(40代 男性)
「こまめに掃除する」が4位です。
ペットと暮らしていると抜け毛や汚れはつきものが、こまめな掃除によって清潔な環境を保ちやすくなります。
そのため「毎日掃除をする」「ロボット掃除機に頼る」といった工夫が寄せられました。
またカーペットやソファカバーなどを洗濯しやすい素材・大きさにすることで、さらに清潔を保ちやすくなります。
5位 防音対策をする
- 騒音で近隣住民に迷惑をかけないように、防音壁のマンションに引っ越しました(20代 女性)
- 窓を二重サッシにして、防音対策しています(30代 女性)
- 近隣への音漏れや苦情が来ないように、防音対策に注意している(50代 男性)
5位は「防音対策をする」でした。
鳴き声や走り回る音など、ペットが発する音は意外と大きいもの。
そのため集合住宅や住宅密集地では、ご近所への配慮が欠かせません。
具体的には防音性の高い住まいを選んだり、窓を二重サッシにしたりしている人がいました。
「音で迷惑をかけにくくなる」という安心感を得られると、飼い主は安心できます。
「ペットとの暮らしを肩身の狭いものにせず、のびのびと楽しめる」という点が、防音性に配慮することの大きなメリットです。
ペットと暮らす家の困りごと1位は「毛が抜ける」

「ペットと暮らす家の困りごと」の圧倒的1位は「毛が抜ける(46.4%)」、2位は「室内が傷つく(26.2%)」でした。
室内の汚れや美観に関する悩みが多くなっています。
またペットは好きでも、ペットの臭いは気になるケースもあります。
さらに鳴き声や足音など、近隣への配慮から困っている人も。
ペットとの暮らしでは、「清潔性」「快適性」「周囲への気遣い」といった点で、困りごとが起こりやすいとわかりました。
1位 毛が抜ける
- やっぱり毛ですね。服やタオルにつく抜け毛が大変です(20代 男性)
- 気づけば部屋の隅に毛が溜まっている。掃除してもしても追いつかない(30代 女性)
- 抜け毛の掃除が一番大変です。掃除機をかけてもすぐに毛が床や家具に付着してしまい、毎日こまめに掃除する必要があります。とくに換毛期は掃除に時間がかかります(40代 女性)
1位は「毛が抜ける」でした。
犬や猫などのペットは、一年中毛が抜けます。
また体毛が二層構造になっているダブルコートの犬種(ミニチュアダックス、チワワなど)は、換毛期にたくさんの毛が抜け、とくに掃除が大変です。
毛の長いペットについても、大変だという声がありました。
抜けた毛は床に溜まったり室内に舞ったりするほか、タオルや服などについてしまうことも。
「抜け毛が食事に入ってしまう」という声も寄せられていて、掃除の手間という面でも衛生管理の面でも、大きな悩みになっていることがわかります。
2位 室内が傷つく
- 爪とぎを木材の壁でしてしまっており、えぐれてしまうこと。爪とぎ専用のものでしてくれないところ(20代 女性)
- 床が柔らかいので、爪の跡がすごい(30代 女性)
- 和室の襖をボロボロにされました(60代以上 男性)
2位は「室内が傷つく」でした。
例えば猫などは、爪とぎ用のアイテムを用意していても、やってほしくない壁、柱、家具などで爪とぎしてしまうことがあります。
いたずらでなくても、床材との相性などで、ペットが普通に歩いているだけでも傷がついてしまうことも。
室内に傷ができてしまうと、まず見た目がよくありませんし、補修しようと思うと手間や費用がかかります。
さらに賃貸であれば、退去時に請求される金額が増えてしまうことも懸念されます。
3位 臭いがつく
- トイレシートを頻繁に変えてもやっぱり臭いが気になる(20代 女性)
- 匂いが気になるけど、ペットに害があるので芳香剤が使えないこと(30代 女性)
- 毎日掃除していますが、どうしても臭います(40代 男性)
3位は「臭いがつく」でした。
ペットと一緒に暮らしていると、どうしても獣臭や排泄物の臭いが気になります。
こまめに掃除をしても、ペット用消臭剤を使っても、完全には消えにくいと悩んでいる人が多くなりました。
とくにペットの臭いが気になる瞬間としては、来客時などが挙げられています。
対応策として脱臭機を導入したり、こまめに換気をしたりしている人もいました。
4位 粗相の処理が大変
- 床に粗相をすると、無垢床なのでシミが残る(30代 女性)
- シニアになり、お腹がちょっと弱いのと我慢できなくて、どこでもうんちをしてしまうのが困ります。ペットシートを敷き詰めてます(40代 女性)
- ごくたまにトイレ以外のところでトイレを済ませてしまう(50代 男性)
「粗相の処理が大変」が4位です。
ペット用トイレを設置していても、ペットがトイレでしてくれないこともあります。
「トイレのしつけがまだできていない」「老犬になり、トイレでできなくなる」といった事情があるからです。
排泄物の処理は臭いがしますし、一般的に進んでやりたいと思うものではありません。
さらに予期せず起こる粗相であれば、思わぬ手間という感情になってしまうので、粗相発生のたびに片づけや洗濯をするのはストレスになりやすいと考えられます。
5位 音が気になる
- 外にいても家からの声が少し聞こえるくらい声が大きいので、周りの家に迷惑がかかっていないか心配(20代 女性)
- 夜でもかまわずに、家の前を人が通ると大きな声で吠えてしまいます。ペットスクールなどで吠えないようにしつける方法を教えてもらいましたが、なかなか難しいです(20代 男性)
- 深夜に猫が暴れるため、睡眠不足(30代 男性)
5位は「音が気になる」でした。
犬猫などのペットが鳴いたり元気に走り回ったりするのは、当然です。
ただ近隣住民には、鳴き声や足音が騒音と感じられることもあります。
とくに「鳴き声の大きいペット」「夜中に吠えてしまうペット」だと、声が外まで響き、迷惑をかけていないか常に気を使う必要が生まれます。
ご近所トラブルに発展する可能性があるため、飼い主にとって精神的な負担の大きな悩みとなっていることが伺えました。
また家の中で音が響き、夜中に飼い主がペットに起こされてしまうケースもあります。
ペットのために家に取り入れた設備・アイテムは「マット」

「ペットのために家に取り入れた設備・アイテム」を聞いたところ、1位は「マット(33.8%)」、2位は「ペット専用ケージ(27.0%)」です。
3位「ペット用の仕切り(12.2%)」、4位「キャットタワー(10.8%)」が続きます。
- わんちゃんが自分の空間が持てるように専用のゲージを購入。滑りにくくするための、スポンジ素材のマット(30代 女性)
- キッチンに入らないようにするガード扉(40代 女性)
- 運動したり隠れ家にできたりするキャットタワー(40代 女性)
- ドアを閉めていても猫が出入りできるように、ペット用ドアに変えています。床を滑りにくい素材にしたり、病気の猫を静かな環境で寝かせてあげられるように、複数のゲージを置いたりしています(50代 女性)
- 滑りやすい床にはクッション性のあるマットを敷いて足腰への負担を軽減しました。また抜け毛や臭いの対策として空気清浄機を設置し、こまめに換気できるようにしています(60代以上 男性)
「マット」「ケージ」「仕切り」といった安全性や生活動線を整えるものと、「キャットタワー」「寝具」などペットの居場所づくりに役立つものが多くランクイン。
またペットとの生活で困っている抜け毛や臭いに対応するアイテムとして、空気清浄機を導入した人もいます。
「タイルカーペットをリビング全体に敷き詰めることで、愛犬の足腰に負担がかからない。また汚れた部分だけを剥がして洗えるので、掃除がとても楽になった」という声もあって、ひとつのアイテムでふたつの悩みを解決できるケースもあるとわかりました。
なお既存の家に新たなアイテムを導入するのではなく、「防音性の高い家に引っ越した」など、ペットのために家自体を変えてしまう人もいます。
ペットが楽しく安心して暮らせる環境を整えるとともに、飼い主も「掃除の手間」や「周囲への遠慮・気遣いによるストレス」を減らせるように工夫している傾向が読み取れました。
まとめ
ペットと暮らしていると、「抜け毛や粗相とはじめとする汚れ」「室内に傷が増える」などの困りごとが発生します。
また室内飼育の場合には、フローリングがペットの足腰に対する負担になってしまい、気にしている飼い主さんも。
そのため「ジョイントマットやカーペットで床を滑りにくくする」「汚してほしくない場所には入れないよう、仕切りをつける」といった工夫をしている飼い主さんが多くなりました。
ペットと暮らすことによる困りごとは避けられないものの、多くの飼い主はアイテム・設備を取り入れたり、日々の習慣を工夫したりして、快適な環境づくりに努めています。
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