一人っ子が相続した実家を売却する注意点とベストな方法を解説

相続物件

「一人っ子の場合は、実家を相続せず売却するべき?」
「売却に適したタイミングはいつ?売却先の選び方も知りたい」

一人っ子で両親が亡くなると、他に相続人がいないため、自分一人が実家を相続することになります。
遺産配分を話し合う、遺産分割協議なども不要です。

相続した実家を売却する場合も、自分一人の意思で行えます。
両親が残してくれた実家を売却することに迷いもあるかもしれませんが、結論からお伝えすると活用する予定がないのであれば、すみやかに売却するのがおすすめです。

なぜかというと、空き家となった不動産には半永久的に管理コストや税金の負担が発生するからです。建物は年数と共にどんどん劣化していきますから、10〜20年ごとに原状回復のためのリフォームも必要になってしまいます。

資産として受け継いだ実家が、ゆくゆく負債になりかねないのです。

今回の記事では、住まない家を売却した方が良い理由や、売却方法について解説します。

なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、全国の相続不動産や、市場で売れにくいとされている物件を積極的に買い取っている買取業者です。

売却方法や売却先にお困りの方は、ぜひ一度、お問い合わせください。もちろんご相談のみでも歓迎しております。

あなたのお悩みを解決できるよう、全力でサポートさせていただきます。

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【一人っ子の相続】実家に誰も住まないなら売却するのが堅実

住む予定がない実家を相続すると、管理コストがかかったり近隣からのクレームが発生したり、後々トラブルに発展しかねません。

実家に誰も住まないのであれば、売却するのが堅実です。

なぜ売却した方がいいのか、理由を解説します。

定期的な管理が手間になる

誰も住まない実家を相続すると、定期的なメンテナンスが必要となります。

人の出入りがない家は劣化スピードが速く、建物の構造部が腐敗し、ゆくゆく台風や地震など自然災害をきっかけに倒壊を起こす可能性があるからです。

具体的には、最低1ヶ月に1回訪問し、カビの発生や水道管の破裂などを防ぐため、換気・通水・清掃を行う必要があります。

実家が近隣であれば管理はしやすいですが、遠方に住んでいる場合、毎回実家に出向くのが手間となるでしょう。

放置すると近隣住民からクレームに発展する恐れがある

空き家の状態で放置すると、近隣住民とのトラブルになりかねません。

家の管理を怠り近隣住民とトラブルになる

定期的な手入れが施されない家は、庭の樹木や雑草が生い茂り、建物も老朽化が進み、あっという間に廃墟のような家になります。

廃墟化すると、ゴミの不法投棄のターゲットにされやすく、大型の家具から生ゴミまで、庭先に捨てられる恐れがあります。

もちろん、生ゴミから発生した悪臭や害虫は、近隣の家にも侵入するので、クレームにつながりやすいのです。

特定空き家に指定される恐れがある

空き家のまま放置すると「特定空き家」に指定され、強制的に建物を解体される恐れがあります。

特定空き家とは、単なる空き家とは異なり、倒壊の恐れがある・景観を損なっている・衛生上有害である、など周辺環境に明らかに悪影響を与える空き家のことです。

参照元:国土交通省|「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針

特定空き家とは?

周囲に悪影響を及ぼす空き家が全国的に増加傾向だったため、2015年に「空家対策特別措置法」が施行され、行政の空き家への強化対策が始まった背景があります。

特定空き家に指定されると、以下のようなペナルティが段階ごとに科されていきます。

  1. 空き家の状況を改善するよう、行政指導を受ける
  2. 住宅用地特例の対象外となり、固定資産税が最大6倍まで跳ね上がる
  3. 行政上の義務違反をした罰則で、最大50万円の過料が科される
  4. 行政代執行によって、空き家が強制的に解体される
  5. 空き家の解体にかかった費用を、全額請求される

上記は、助言から始まり、改善が見られなかった際に、段階的に罰則が科されていくので、いきなり空き家を取り壊されるわけではありません。

しかし、固定資産税の軽減措置対象から除外された時点で、所有者の維持費の負担は重くなるでしょう。

3年以内に売却しないと税制優遇が使えなくなる

空き家を相続したときから3年以内に売却しなければ、「相続空き家の3000万円特別控除」が使えなくなります。

空き家3000万円特別控除

3000万円特別控除とは、相続した空き家の売却をする際に得た利益から3,000万円が控除される税制優遇です。

特例の適用を受けるための要件として、以下のように期限が定められています。

相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

引用元:国税庁|被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

3年を過ぎると利益が出た額に、そのまま譲渡所得税がかかってしまうため、税負担が増えます。

特例を使いたい場合は、期限までに売却を検討しましょう。

なお、相続空き家の3000万円特別控除については、以下の記事で詳しく解説しています。

相続空き家の売却額から3000万円控除|条件と申請方法
売れない訳あり不動産の情報メディア

【一人っ子の相続】実家の最適な売却方法

不動産の売却方法には「仲介」と「買取」の、2通りがあります。

仲介と買取の違い

ここでは、それぞれの特徴の違い・業者を選ぶ判断基準、について解説します。

仲介と買取の違い

仲介と買取の違いを見ていきましょう。

不動産仲介業者

仲介業者は、買主を探すサポートのみを依頼できる業者です。

不動産仲介業者

仲介業者の利益は、見つけた買主と売主が成約に至ったときに、両者から貰える仲介手数料です。

仲介業者に依頼して売却すれば、買主を探す手段としてネットなどを通して幅広く募るため、高額売却を狙えます。

ただし、買主から需要のない物件であれば何年経っても売れないリスクがあります。

次に解説する買取業者のように直接買い取ってくれるわけではなく、仲介業者はあくまで買主を見つけることが仕事です。

仲介業者がいくら宣伝を頑張っても、肝心の買手から需要がなければ、永遠に売れることはありません。

また、頑張っても売れない不動産に対しては、仲介業者も積極的に広告費を掛けてくれなくなるため、物件はより売れなくなってしまいます。

不動産買取業者

買取業者は、不動産を直接買い取ってもらえる業者です。

つまり、買取業者自身が買主となります。

不動産買取業者

買取業者は、物件を買い取ったあと、リフォーム等を施して商品化し、自社での運用や再販といった事業をおこなうことで収益を得るビジネスモデルです。

仲介と比べて、買取は売却価格は7〜8割程度と安くなります。これは、リフォームや家財の撤去といった商品化にかかるコストが差し引かれるからです。

ただし、一般の消費者のように自身の終の棲家とするわけではないので、どんなに物件の条件や状態が悪くても、収益を得られる見込みさえ立てば、すぐにでも買い取ってくれるメリットがあります。

売主の状況にもよりますが、契約・決済まで数日で完了することもあります。

仲介と買取の判断基準は「土地の需要」と「建物の状態」

仲介と買取のどちらの不動産業者に依頼をしたらいいか、は「土地の需要」と「建物の状態」によって変わります。

詳細を見ていきましょう。

仲介業者に依頼すべきケース

不動産の立地が良く、建物もあってすぐ住める状態などであれば、仲介業者に売却を依頼しましょう。

先ほどお伝えしたとおり、需要の高い不動産は仲介に依頼することで、高く売却できる可能性があるからです。

具体的な条件は、以下のとおりです。

  • 最寄り駅まで徒歩10分圏内(都会の場合)
  • 市街地まで車で10分以内(地方の場合)
  • 大規模な修繕をしなくても居住可能な物件(築10年〜15年以内)

仲介での売却が適した物件

このような条件を満たす土地であれば、自身の居住用に物件を探している買い手に売却できる可能性が高いでしょう。

買取業者に依頼すべきケース

不動産の立地が悪く、建物があっても劣化が激しい状態であれば、買取業者に買い取ってもらいましょう。

上記したとおり、需要の低い不動産は仲介で売ることは困難だからです。

  • 最寄り駅まで歩いて15分以上(都会の場合)
  • 市街地まで車で20分以上(地方の場合)
  • 大規模な修繕をしないと居住が不可能な物件(築15年超)

このような土地でも、買取業者であれば最適な活用方法を見出して、適正な価格で買い取れます。

弊社(株式会社Albalink)では、築古物件や地方の空き家など、買手から敬遠されやすい不動産を専門に買取を行っています。
「自分の実家は売れないんじゃ…」と不安な方も、ぜひ一度ご相談ください。

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【一人っ子の相続】実家を売却するタイミング

ここまでは、実家の最適な売却先について解説しました。

次に、不動産を売却するタイミングについてご紹介します。

相続発生前(生前)

親が生前のうちから実家をどうするか決めておけば、亡くなってから迷うことがありません。

相続発生後に売却する場合は、登記をはじめとしたさまざまな煩雑な手続きが必要になります。

生前に売却をしておけば、相続手続きは楽になります。

親が認知症の場合は成年後見制度を利用する

認知症などで認知症などで判断能力が不十分となった人の、不動産の売買契約は無効となるため、成年後見人制度を利用する必要があります。

成年後見制度とは、判断能力が不十分となった人を守る制度のことです。

参照元:厚生労働省|成年後見制度とは

たとえば、親が認知症で一人暮らしをしていると、悪徳なセールスや詐欺の手口によって不利な契約を結ばされるかもしれません。こうした判断能力が不十分となった人が、不利益を被らないために、成年後見人が契約や財産管理などを代行する制度です。

成年後見人が独断ですべてを決定できるわけではなく、各種手続きには、家庭裁判所の許可が必要となります。

成年後見人を決めておけば、その人が不動産を売却できる場合もあります。

相続後

相続が発生してから売却する場合は、換価分割を選択するのが一般的です。

換価分割とは、遺産分割の方法の1つで、不動産を売ったお金を相続分に応じて分配する方法を指します。

たとえば、不動産が2,000万円で売却できたとすると、故人の配偶者と子ども1人が相続人であればそれぞれ売却額を1,000万円ずつ受け取る、といった分配をするのが換価分割です。

不動産のように、現金ではない大きな財産を遺産分割する場合には、公平性を保ちやすい分配方法です。

一人っ子で実家を相続する際の注意点

一人っ子が相続後に実家を売却する場合は、いくつか注意点があります。

相続税の基礎控除が少なくなる

兄弟姉妹がいるケースと比べて、一人っ子は相続税の基礎控除額が少なくなる可能性があります。

相続税は相続人の人数に応じた基礎控除額を考慮したうえで算出されるからです。
「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で、控除される額が決まります。

参照元:国税庁|No.4152 相続税の計算

例えば、相続人が母親Aと兄弟B、Cの場合、基礎控除額は「3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円」となり、4,800万円の範囲に収まる財産には税金がかかりません。

対して、相続人が子供Aのみの場合、基礎控除額は「3,000万円+600万円=3,600万円」となり1,200万円も控除額に差があります。

一人っ子でも相続人が複数いれば遺産分割協議書が必要

一人っ子で親が離婚していないケースでは、法定相続人は「配偶者」「子ども」の2人となります。

しかし、故人が過去に離婚をして、前妻との間に子どもがいる場合は、「配偶者」「子ども」「元配偶者と婚姻時に生まれた子ども×人数」が、法定相続人となるため、遺産分割協議書が必要です。

遺産分割協議書

遺産の分配についての話し合いがまとまらない可能性があります。

弊社AlbaLinkでは、不動産相続でお困りの方に向けた「不動産相続・相談会」を開催しています。
弁護士や税理士といった法律のプロ、不動産の専門家に「無料で」相談ができます。

オンラインでの開催も行なっていますので、実家や土地など、相続した不動産のことでお困りの場合は、以下のバナーからお気軽にご相談ください。

 

兄弟がいなくても相続争いが起きる事がある

一人っ子でも、親子仲が悪ければ、相続争いに発展する可能性があります。

法定相続人は親と自分のみで、なおかつ遺産の分配もお互いに50%ずつのため、本来は揉めにくいでしょう。しかし、親子仲が悪い場合は、相続放棄を求められたり、遺産を使い込まれたりするケースがあります。

なお、以下の記事で相続争いから抜け出す裏技を解説していますので、参考にしてください。

不動産の法定相続分だけで売却可能!相続争いから抜け出す裏技を司法書士が解説
売れない訳あり不動産の情報メディア

【一人っ子の場合】実家を相続してから売却するまでにかかる費用・税金

最後に、不動産の相続から売却までにかかる費用を解説します。

相続税

相続税とは、故人から受け継いだ相続財産にかけられる税金です。

ただし、相続した遺産すべてに対してかけられるわけではなく、故人の負債や葬儀費用を差し引いたあとに、基礎控除額を上回った部分に相続税がかかります。

基礎控除額は、配偶者と子ども1人であれば、以下のように算出されます。

3,000万円+(600万円×法定相続人)=基礎控除額
3,000万円+(600万円×2人)=4,200万円

参照元:国税庁|相続税のあらまし

4,200万円を超えた金額に相続税が課税されることになります。

例えば評価額3,000万円の実家と1,000万円の預貯金を子どもが相続する場合は、総額4,000万円となり控除額の範囲に収まるので相続税はかかりません。

相続税がかからない場合はそもそも相続税申告の必要はありませんが、個人で判断するのではなく税理士や不動産業者などの専門知識のある相手に相談するのが安全です。

譲渡所得税

譲渡所得税とは、不動産を売却したときの利益にかかる税金のことです。

参照元:国税庁|土地や建物を売ったとき

不動産の取得費が不明の場合は、売却額の5%を取得費として算出となり、税金が高くなる傾向にあるので、注意が必要です。

参照元:国税庁|No.3258 取得費が分からないとき

詳しく見ていきましょう。

まず、譲渡所得を算出します。

譲渡所得 = 譲渡価額 − 取得費 − 譲渡費用

参照元:国税庁|No.3252 取得費となるもの

参照元:国税庁|No.3255 譲渡費用となるもの

売却額(譲渡価額)から、購入した当初の金額(取得費)と、仲介手数料など売却にかかった費用(譲渡費用)を、差し引いた額が、譲渡所得です。

取得費は、以下の計算式で金額が大きい方を適用します。

①取得費がわかる場合:不動産の購入金額と取得にかかった費用の合計額から、建物の減価償却費を差し引いた金額
②取得費がわからない場合:売却額(譲渡価額)× 5%

このとき、不動産の取得費が不明であれば、概算法を適用します。

売却額2,000万円で、取得費が不明で、10年以上住んでいた物件のケースで計算してみましょう。

売却額(譲渡価額)× 5%より、
2,000万円 − 100万円= 1,900万円
10年以上住んだ物件の譲渡所得税は14.21%のため、
1,900万円 × 14.21% = 269万9,900円

つまり、269万9,900円の課税所得を支払うことになります。

司法書士への報酬金

相続のさまざまな手続きは、司法書士など専門家に依頼するのが一般的です。

相続の大まかな流れは以下のとおりです。

  • 相続人を確定する
  • 相続財産を確定する
  • 財産目録を作成する
  • 遺産分割協議書を作成する
  • 相続登記をする

このうち、司法書士へ相続登記のみ依頼した場合の報酬相場は5万円〜8万円です。

相続人の調査や遺産分割協議書の作成など、総合的に依頼する場合の報酬相場は7万円〜15万円となっています。

登録免許税

登録免許税とは、登記の手続きの際にかかる税金のことです。

不動産を相続する際は、故人から相続人へ変更する、相続登記が必要となります。

相続登記にかけられる登録免許税は「不動産の固定資産評価額×0.4%」です。

参照元:国税庁|No.7191 登録免許税の税額表

固定資産評価額が2,000万円の土地を相続登記するケースであれば、以下の計算となります。

不動産の固定資産評価額×0.4%より、
2,000万円 × 0.4% = 8万円

上記の例では、相続登記に必要な登録免許税は、8万円となります。

まとめ

今回の記事では、住まない家を売却した方が良い理由や、実家の売却方法について解説しました。

実家の売却をする際には、最低3社には、買取業者に相見積もりを取るのがおすすめです。

なるべく高額で、なおかつサポート体制が万全な業者に出会えれば、納得感をもって売却ができるでしょう。

なお、弊社「株式会社Alba Link(アルバリンク)」は、全国の相続不動産や築古戸建ての買取を積極的におこなっています。

売却前提でなくても、査定額だけ知りたいという方も大歓迎です。

弊社スタッフが、少しでも高く買い取れるよう全力でサポートいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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監修者

志村 孝次 不動産コンサルタント

プロフィールページへ
株式会社クレア代表。
宅地建物取引士、2級建築士、公認不動産コンサルティングマスター、AFPの資格を保有し、日常、不動産売買、相続、空家をテーマに相談対応から不動産コンサルティングを中心に業務を展開している。

◆保有資格・関連リンク
宅地建物取引士(不動産適正取引推進機構
2級建築士
公認不動産コンサルティングマスター(不動産流通推進センター
 (相続対策専門士・不動産エバリュエーション専門士)
AFP2級ファイナンシャルプランナー(日本FP協会

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