田舎の実家をどうするか4つの選択肢
田舎の実家の活用方法は、売却だけが正解ではありません。
田舎の実家には以下4つの選択肢があり、それぞれに向き不向きがあるので自分に合った方法を選択しましょう。
売却する
使う予定のない実家を手放す方法として、もっともシンプルで現実的なのが「売却」です。
売却を簡単に説明すると、持っている土地や建物を売ってお金にすることです。
売却が向いているのは、以下のような状況の人です。
- 実家をこれから利用する予定がない人
- 売却をすべきか迷っている人
「どうしようか」とまだ迷っている段階の人も、まずは不動産会社に無料査定を依頼することをおすすめします。
「売るといくらになるか」を知るだけで、維持し続けるコストやリスクと照らし合わせやすくなり、判断の軸が定まります。
売却には、主に2つのアプローチがあります。
なお、仲介・買取の違いについては以下の記事でも解説しているので併せてお読みください。

仲介で探す
仲介業者とは、売主と買主の間に立って売買をサポートする不動産会社です。

田舎にある築年数の経った実家を仲介で売却するのは、現実的には厳しいといえます。
仲介で家を買う人の多くは、マイホームとして住むことを目的とした一般の方です。
田舎はもともと住宅需要が都市部より低く、加えて築30年を超えた物件となると購入を検討する層は限られてきます。
ただ、移住希望者の多い・新築住宅が次々と建設されているといったエリアの物件であれば、仲介でも成約できる見込みはあるでしょう。
該当しないようであれば、次章で紹介する買取業者に売る方法を選ぶのが賢明です。
買取業者に売る
買取業者とは、一般の買い手を探さずに直接物件を購入する不動産会社です。

使い道のない田舎の実家を手放す方法として、もっともおすすめできるのが「買取」です。
その理由は、売却スピードにあります。
仲介の場合は一般の買い手を探す必要があるため、売却完了まで平均で3〜6ヶ月程度の時間を要します。
一方、買取業者は業者自身が買い手になるため、買い手を探す期間が必要ありません。
必要書類が揃っているなど、条件が揃えば最短数日〜平均1ヶ月程度で売却することも可能です。

田舎の実家を好条件で売却する方法については、記事内の「実家売却の手順」で解説します。
以下に該当する方は、不動産買取による売却を検討するとよいでしょう。
- 実家の築年数が30年を超えている
- 仲介で買い手が付かない
- 短期間で売却したい
譲渡・寄付する
田舎の実家を、譲渡・寄付する形で手放す選択肢もあります。
代表的な方法としては、土地だけを国に引き渡せる「相続土地国庫帰属制度」や、自治体への寄付などが挙げられます。
ただし、率直にお伝えすると、これらは「気軽に使える手段」とは表現しにくいのが現実です。
相続土地国庫帰属制度とは、相続・遺贈で取得した土地を一定の要件のもとで国に引き渡せる制度です。

相続財産の中で不要な土地のみを限定して手放せるメリットがある一方、以下のように国庫帰属に至るまでのハードルは高めです。
【そもそも申請できないケース】
-
- 建物が残っている土地
- 抵当権など、担保や使用に関する権利が設定されている土地
- 他人の使用予定がある土地
- 土壌汚染が確認されている土地
- 境界や所有権をめぐる争いがある土地
【そもそも申請できないケース】
- 管理に多大な費用や手間がかかる土地
- 管理・売却の妨げになるものが地上に残っている土地
- 地中埋設物がある土地
- 管理・処分をするために訴訟が必要となる土地
- 費用や手間が著しくかかる土地
また、自治体への寄付も、先方が活用できる見込みのある土地でなければほぼ受け入れてもらえません。
所有者側から話を持ちかけても断られるケースが大半であるため、制度の存在に期待しすぎないことが大切です。
自治体に寄付を受け付けてもらえるのは、以下のような土地です。
- 公的な利用が見込める
- 権利関係の問題が生じていない
- 維持管理の負担が軽い
詳細の記事を確認し、条件が該当する方は検討してみてもよいでしょう。
維持する
田舎の実家が売却も譲渡も難しい場合の選択肢として、「維持」があります。
たとえば、賃貸として貸し出す・セカンドハウスとして活用する・建物を解体して駐車場にするなどして活用する方法です。
ただし、「何となく手放せないから持っておきたい」という程度の気持ちなら、維持はおすすめできません。
なぜなら、固定資産税が毎年かかり続ける上に、活用の方法によっては想定外の手間と費用が伴うからです。
各選択肢の難しさを、具体的に確認していきましょう。
- 賃貸利用
- 田舎は賃貸需要が低く、空室リスクが高い。入居者が見つかったとしても、固定資産税・修繕費・リフォーム費用などの経費を差し引くと収支が赤字になりやすい
- セカンドハウス
- 今の住まいと実家、2軒分の維持費が必要になる。また、空き家の状態が続くため、定期的に足を運んで換気・通水・草刈りなどの管理を行う必要がある
- 建物を解体して駐車場
- 初期費用・維持費が高め。建物の解体費用100万円程度・アスファルト舗装費が1㎡あたり約4,000〜6,000円・運営費が売上の40%程度かかる。
維持という選択肢は、何も手を打たずに放置し続けるよりは建設的といえます。
ただし、想定外の費用や手間に後悔しないためにも、コストと手間を十分に試算した上で挑みましょう。
相続放棄する
相続して3ヶ月以内であれば、相続放棄をする方法もあります。

しかし、「田舎の実家を手放したい」という理由だけで相続放棄に踏み切るのは、慎重に考える必要があります。
相続放棄をした場合、実家だけでなく現金・預貯金・有価証券といったプラスの財産もセットで手放さなくてはなりません。
この手続きが合理的な選択といえるのは、「財産全体を計算した結果、明らかにマイナス」となる場合です。
一方で、受け継ぎたい財産があり、「実家のみ手放したい」「実家の活用方法が決まっていない」という方は、一旦相続しましょう。
「相続した後に売却する」という手順を踏めば、事実上、実家だけを手放すことが可能です。
また、相続を受け入れた上で後々売却などの方法をゆっくり検討するほうが、後悔のない判断をしやすくなります。
相続放棄のリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。

実家売却の手順
この章では、田舎の実家を売却する場合の現実的な方法として「買取業者に依頼する流れ」を紹介します。
実家売却の手順は以下6つのステップです。
田舎の不動産の取り扱いに慣れている業者を選ぶ
まずは、実家周辺での買取実績があり、田舎の不動産の取り扱いに慣れた買取業者を選びましょう。
詳しくは後述しますが、専門性の高い業者はノウハウがある分、リスクを適切に判断できるため、物件価値を適正に評価します。
反対に、都心メインの大手買取業者は田舎の物件に不慣れなため、リスクを過大に見積もりがちです。
たとえば、上限500万円の物件でも、田舎に強いA社なら400〜500万円の査定が出る一方、都心メインのB社では200〜300万円にとどまるケースも珍しくありません。
売却価格をできるだけ高くしたいなら、売却予定の物件と類似した条件の案件を多く手がけてきた業者に依頼することが大切です。
査定依頼
業者が決まったら、次は査定依頼のステップに進みます。
買取業者への査定依頼は、物件の住所さえ分かれば基本的に話を進められます。
とはいえ、以下の書類は手元にあると手続きがよりスムーズに進められるので、日中に時間が取れるなどの場合は準備しておきましょう。
- 登記簿謄本
- 固定資産税の納税通知書
- 相続関連の書類(実家の名義変更が完了していない場合)
買取業者への問い合わせ方法は、電話・メール・Webフォームなど、公式サイトに複数の窓口が用意されているのが一般的です。
営業時間内の問い合わせが難しい場合は、電話以外の方法で連絡するとよいでしょう。
現地調査
最初の査定依頼から即日〜数日程度で、概算の査定額が提示されます。
その査定額に納得できたら、担当者が実際に物件を訪問して状態を確認する「現地調査」が行われます。
査定依頼・現地調査を経て、正式な買取価格が提示されるまでの期間は、おおむね10日です。
条件交渉・売買合意
正式な買取価格に納得ができたら、条件交渉に移ります。
価格だけでなく、実家の引き渡し時期・荷物の取り扱い・支払い方法などの詳細な取引条件を話し合います。
条件に双方が合意すると、売買契約の締結へと移ります。
売買契約の締結
売買契約の締結の当日は、契約書の内容を確認して署名・押印を行います。
交渉で合意した条件が売買契約書に正しく反映されているかどうか、必ず確認した上でサインをしましょう。
決済・引き渡し(完了)
売買契約の締結後、売買代金の決済と鍵・必要書類・物件の引き渡しを行い、これが完了すれば取引終了となります。
不動産買取業者に直接売却する場合、査定依頼から引き渡しまでの期間は最短数日〜1ヶ月程度です。
田舎の実家売却で失敗しないためのコツ
どうせ売るなら1円でも高く売りたい!」というのが、すべての売主さんの本音ではないでしょうか。
以下では、田舎の実家売却で失敗しないためのコツを、不動産売買のプロの視点から解説します。
実家を放置し続けない(とにかく早く売る)
高額な売却を望むのであれば、実家を放置し続けてはいけません。
誰も住んでいない建物は定期的な清掃や換気が行われない故に、人が住んでいる建物より急速に老朽化する傾向があるからです。
建物は今後も老朽化し続ける一方なので、今日が1番高く売れる日だと言えます。
今以上に建物が老朽化する前に、なるべく早く実家を売却してしまいましょう。
安易にリフォームや解体工事を行わない
売却前の実家を安易にリフォームしたり解体したりしてはいけません。
売却前に行ったリフォームや解体が、買主のニーズにマッチするとは限らないからです。
買主のニーズに合っていないのであれば、リフォームや解体の工事費用を上乗せした金額で購入してもらうことはできません。
例えば、日本の少子高齢化が進んでいるからといって、売主の独断で建物内にバリアフリーのリフォームを施したとします。
しかし、購入希望者が若い新婚夫婦であれば、バリアフリーのリフォームによって享受できるメリットはほとんどありません。
そのため、リフォーム費用を上乗せした金額では、高すぎて購入してもらえないでしょう。
また、売却代金に工事費用が上乗せできないだけならまだしも、そもそも買主が現れなければ工事費用がまるまる赤字になってしまいます。
加えて、建物を解体して売れ残った場合は、住宅用地の特例(税の優遇措置)が翌年から外れるため、土地の固定資産税が増額します。
社会的に信用できる業者を選ぶ
業者選びは「営業担当者の印象が良さそう」「ホームページがキレイで安心できそう」といった主観的な判断だけに頼るのは危険です。
悪質な業者の中には、契約直前になって突然値下げを要求したり、理由をつけて契約を破棄したりするケースもあります。
田舎の実家売却では、買い手が限られる分だけ業者への依存度も高くなりやすいため、客観的な基準で信頼性を見極めることが重要です。
具体的には、以下の3つのポイントを確認するようにしましょう。
- 上場企業かどうか
- 法令遵守・情報開示の義務があり、不透明な取引をしにくい構造になっている
- 契約前に条件のすり合わせがあるか
- 不動産の欠陥が発覚した際の責任の所在など。売主にとって重要な条件や不利な点を担当者がきちんと説明しているか
- 口コミ・買取事例が公開されているか
- 実際の取引実績が公開されているか、また利用者がどのような評価をしているか
上記のポイントをもとに、買取業者の情報を確認した上で信頼できる1社を選びましょう。
おすすめの不動産買取業者ランキングについては、以下の記事で詳しく解説しています

後回しにして放置するリスク
「いつか売ろう」と思っているうちに、「気付けば数年・数十年が経過していた」といった方は少なくありません。
しかし、田舎の実家を放置し続けると、さまざまな負担が所有者にのしかかります。
この章では、後回しにすることで発生する具体的なリスクを4つお伝えします。
固定資産税がかかり続ける
不動産を所有している限り、使用の有無に関係なく毎年固定資産税が課されます。
固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に請求されるため、売却しない限り支払いが止まることはありません。
たとえば、固定資産税が年間6万円であれば、10年後には60万円の税負担が積み重なることになります。
さらに、10年分の不動産価値の下落も加わるため、損失は60万円だけにとどまりません。
都道府県別の人口動態を見ると、転入超過となっているのは東京都など一部の都市圏に限られており、多くの地域では人口流出が続いています。
参照元:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2024年(令和6年)結果」
人が減れば住宅を必要とする人も減るため、地方の不動産価格は長期的に下落傾向をたどります。
売却の決断が遅れるほど、手元に残るお金は減っていく一方であることは念頭に置いておく必要があります。
経年劣化により価値が低下する
人が住んでいない空き家は、住んでいる家と比べて劣化のスピードが格段に速くなります。

たとえば、相続した実家をたった1年間放置していた場合でも、以下のような深刻な問題が生じることがあります。
- 湿気・カビによる木材の腐食
- 排水管の放置によるサビ・漏水
- 外壁や屋根のヒビ割れ
国土交通省の資料でも、利用予定のない空き家のうち「腐朽・破損あり」は約101万戸と、3軒に1軒が劣化した状態にあることがわかっています。
参照元:国土交通省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」
「1年くらいなら大丈夫」と思いがちですが、空き家の劣化は想像以上に早く進むことを忘れてはなりません。
害虫や害獣の温床になる
空き家を放置していると、人の気配がなくなった家に害虫・害獣が住み着くリスクが高まります。
とく、田舎は周囲に自然が多い分、ゴキブリ・シロアリ・ハクビシンなどが侵入や繁殖をしやすい環境にあります。
中でも、シロアリは木材を内側から食い荒らすため、建物の土台や柱に深刻なダメージを与える恐れがあります。
家は耐久性に問題が生じると、買い手を見つけること自体が困難になります。
害虫・害獣の被害が広がる前に、定期的なメンテナンスか売却を検討しましょう。
最終的に「管理不全空家」「特定空家等」に指定されるリスク
空き家の放置が続いた場合、最終的に自治体から法的な指定を受けるリスクがあります。
2015年に施行された空家特措法では、管理が行き届いていない空き家に対して、自治体が段階的に介入できる仕組みが定められています。
指定の段階は大きく2つあります。
- 管理不全空家
- 放置すれば特定空家になる恐れがある空き家。固定資産税の住宅用地特例(最大1/6軽減)が適用外になり、税負担が増える
- 特定空家等
- 倒壊の危険・衛生上の有害・景観を損ねるなどの問題がある空き家。勧告・命令を経て、従わない場合は行政代執行(自治体が強制的に解体し、費用を所有者に請求)が行われる
自治体による助言・指導を経ても管理状態が改善されない場合、段階的に重いペナルティが課される仕組みとなっています。
管理不全空家・特定空家等の多くは、近隣からの苦情をきっかけに指定されます。
近隣トラブルや金銭的負担を予防するためにも、田舎の実家問題は早めに解消しておきましょう。
空き家を放置するリスクについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

まとめ
相続や生前贈与で取得した田舎の実家を、どうするべきか解説しました。
活用方法が明確でない実家は相続後に早めに売却すべきであり、最もやってはいけないのは空き家として放置することです。
放置された空き家の所有者には、固定資産税や管理費用等の金銭的負担はもちろん、国からの罰則の対象になる等、多くのリスクを課されてしまいます。
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