ゴミ屋敷化したアパートを放置する5つのリスク
貸しているアパートでゴミ屋敷化した一室があるのであれば、早急に対処しなければなりません。
ゴミ屋敷問題を放置し続けると以下のような5つのリスクが生じるからです。
- 劣化が早まりアパートの資産価値が下がる
- 住人が健康被害を引き起こす
- アパートの人気がなくなる
- アパートの倒壊リスクが高まる
- 火災発生のリスクが高まる
いずれも、賃貸経営を廃業に向けて疾走させるリスクばかりです。どのような事態が今後起こり得るのか、それぞれ詳しく解説していきます。
劣化が早まりアパートの資産価値が下がる
アパートの一室で発生しているゴミ屋敷を放置し続けると、建物全体の資産価値が下がります。
通常の家屋でも経年劣化による資産価値の下落は避けられませんが、ゴミ屋敷はカビが繁殖しやすく、建物が劣化するスピードを早めてしまうからです。
カビが繁殖するにあたって適した環境は、水分とエサがある状態です。ゴミ屋敷の多くは以下のような環境に晒されている傾向にあります。
- 十分に換気されない(湿気が充満する)
- 室内を掃除しない(カビのエサである髪の毛・フケ・皮脂がある)
- 食べこぼし・飲みこぼしが放置(水分が蓄積される)
つまり、ゴミ屋敷は上記のようにカビの成長や繁殖が促進される条件が揃っており、建物が老朽化して資産価値が下がりやすいのです。
住人が健康被害を引き起こす
ゴミ屋敷に住み続けると、住人が健康被害を引き起こします。
前述したようにゴミ屋敷はカビの温床になりやすく、カビは結膜炎・喘息・アレルギー性鼻炎など人体に害を及ぼすからです。
さらに、免疫力が低下している時は肺の中でカビが繁殖して、「肺アスペルギルス症」を発症する恐れがあります。
肺アスペルギルス症には3つの症状がありますが、免疫機能が弱くなった人が引き起こす「侵襲性アスペルギルス症」は呼吸困難などの症状を引き起こし、最悪の場合、死に至ります。
また、ゴミ屋敷の住人がアパートの一室で死亡すると発見が遅れて事故物件になる可能性もあるのです。住人のためにも賃貸経営のためにも、ゴミ屋敷の放置は危険と言えます。
アパートが事故物件になった時の対応については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひお読みください。
アパートの人気がなくなる
ゴミ屋敷化したアパートを放置すると、アパートの人気がなくなります。
今の住人に退去されたり、ゴミ屋敷の噂が広がったりして、新規の賃貸人が付かなくなってしまうからです。
実際に、弊社が全国の男女500人を対象に行った独自のアンケート調査では、近所迷惑な人の特徴ランキングで「ゴミ関連のトラブルを発生させる人」が2つも登場していました。
上記のように、ゴミの管理ができない人に対して近所迷惑と感じる人は少数ではないことがわかります。
さらに、同アンケートでは近所迷惑を被ったことがある人が88.6%を占める中で、苦情を入れた人の割合は31.4%しかいないというデータもあります。
つまり、大家が気付いていない水面下で、ゴミ屋敷にストレスを抱えた近隣住民がSNSや友人などに噂を流して、知らないうちに新しい入居者を逃している可能性もあるのです。
アパートの立地や設備が優れていても、ゴミ屋敷問題を抱える一室があると入居付けを邪魔してしまいます。
アパートの倒壊リスクが高まる
アパートが木造だと、木材が腐食して倒壊するリスクが高まります。
ゴミ屋敷は換気されない上に、生ゴミが放置されることで、室内に溜まった水分が柱や床などの木部を腐食させてしまうからです。
木部が腐食すれば、シロアリが繁殖して柱や床などを食べあさります。
実際に、阪神淡路大震災後に神戸市東灘区の709棟の木造住宅を調べたところ、シロアリ被害を受けた家屋のほとんどが全壊していたというデータがあります。
参照元:産経新聞|1995年(平成7年)1月17日阪神淡路大震災発生
このように、木造アパートはゴミ屋敷から発生した水分とシロアリにより建物全体の強度が落ちて、自然災害などをきっかけに倒壊するリスクが高まります。
アパートの倒壊によって死傷者を出さないためにも、ゴミ屋敷は早急な改善が必要です。
火災発生のリスクが高まる
アパートのゴミ屋敷を放置すると、火災発生のリスクが高まります。
掃除がろくにされないゴミ屋敷はホコリが溜まりやすく、トラッキング火災を起こしやすいからです。
トラッキング火災とは、コンセントに溜まったホコリが湿気を帯びて漏電を起こし、引火する火災のことを言います。
ゴミ屋敷ではトラッキング火災の発生リスクが通常の家より高く、さらに火種となるゴミが周辺に大量にストックされているので、火災が他の部屋に燃え広がって大事故に発展しやすいのです。
ゴミ屋敷を放置することで、最悪の場合、死傷者が出る恐れがあります。
アパートでゴミ屋敷が発生したら大家さんが取るべき4つの対応策
ここまでは、アパートのゴミ屋敷を放置すると死傷者が出てしまう事態につながりかねないことをお伝えしました。
そこで、アパートでゴミ屋敷が発生した時に大家さんが取るべき対応索である以下の4つをお伝えします。
- ゴミ屋敷にした借主を立ち退きさせる
- ゴミ屋敷の片付け費用は借主に請求する
- 自治体に相談する
- ゴミ屋敷専門の買取業者にアパートごと買い取ってもらう
それぞれどのような方法なのか、順番に解説します。
ゴミ屋敷にした借主を立ち退きさせる
大家さんが取るべき1つ目のアクションは、ゴミ屋敷にした借主を立ち退きさせることです。
複数回にわたって注意しても改善が見られない借主は、アパートから追い出さなければ、大家さん・近隣住民に損害をもたらし続けるからです。
しかし、ゴミ屋敷にした借主の強制退去はさせられますが、実現が難しいのが現状です。
賃貸契約書の特約の有無や再三にわたって注意を働きかけるなど、大家さんの戦略と根気が必要だからです。
実際、過去の判例では以下のような状況のゴミ屋敷が契約解除と認められましたが、明渡しまでに長い期間と労力がかかっていることがわかります。
- 2年間以上の長期にわたって著しく多量のゴミを放置し続けていた
- 消防署から火災の危険があると注意を受けていた
- 衛生上の問題・火災発生の危険性があり、近隣住民に多大な迷惑をかけていた
- 契約更新時の賃貸借契約に貸室内で危険・不潔・近隣の迷惑になる行為を禁止する特約を記載していたが履行されなかった
- 2回目の契約更新時に、1ヶ月以内にゴミを撤去しなければ賃貸借契約を終了する旨を記載したら履行されなかった
参照元:東京地裁平成10年6月26日
強制退去は可能ではありますが、退去命令を出したからといってすぐに実現できないのが現状です。
強制退去が認められる2つの理由
まず、前提として借主に非がある場合でも、即時退去はできません。
借地借家法27条では、入居者に立ち退きを求める場合、6ヶ月前までに通知しなければならないと定められているからです。
ただし、強制退去が妥当とされる正当事由があれば、通知から6ヶ月後に退去させられる可能性があります。
強制退去が認められる理由は、以下の2つです。
- 家賃の滞納が3ヶ月以上続いており、借主に支払いの意志がない
- 借主の契約違反などによって、貸主・借主間の信頼関係が喪失している
これらは「信頼関係破壊の法理」によって、契約解除が認められる場合があります。
信頼関係破壊の法理とは、賃貸借契約のように信頼関係を基礎とする長期的な契約においては債務不履行の度合いに応じて契約解除を決めるという法理です。
簡単に言うと、民法上は一回でも家賃滞納があれば債務不履行として借主を退去させられますが、それではやむを得ない事情などで支払えない借主が酷なので本来の法律よりも緩和する、という考え方です。
信頼関係が破壊されていると認められる明確な基準はなく、裁判官が借主の家賃の支払い状況・建物の使用状況などを総合的に考慮して判断されます。
家賃の未払いが3ヶ月以上続いたり、近隣住民に対して迷惑行為がある場合は、信頼関係破壊の法理によって退去が認められる可能性が高いです。
ゴミ屋敷の借主を強制退去させる5つの流れ
ゴミ屋敷の借主を強制退去させる流れは、以下のとおりです。
- 口頭や文書で注意する:借主へ口頭・文書でゴミ屋敷を改善するよう注意する
- 内容証明郵便で書面を送付する:内容証明郵便で賃貸借契約解除の書面を送付する。誰に対してどのような書類送ったのか証明できるので、裁判では重要な証拠書類となる
- アパート賃貸契約の解除の日を待つ:内容証明郵便で送付した書面に記載している賃貸借契約解除の日を待つ
- 明け渡し請求訴訟を起こす:裁判で、入居者の立ち退きを求めて明け渡し請求訴訟を起こす
- 強制執行の申立てをする:貸主が明け渡し請求訴訟で勝訴しているのに退去しない場合は強制執行に向けて準備をする
強制執行の申立て後も出て行かなければ、裁判所からの立ち退き催告書が送付されます。
それでも出て行かなければ、アパートに入室して強制退去を執行します。入居者を退去させて、すべての荷物をアパートの外に運び出し、強制退去の完了です。
参照元:一般財団法人 地方自治研究機構|ごみ屋敷に関する条例
ゴミ屋敷の片付け費用は借主に請求できる
退去時のゴミ屋敷の片付け費用は借主に請求できます。
ただし、かかった費用の全てを請求できるわけではありません。この章では、片付け費用がどの程度かかってどの範囲まで借主に請求できるのかについて解説します。
ゴミ屋敷化したアパートの片付け費用は約17万円〜50万円
ゴミ屋敷化したアパートの片付け費用は3LDKだと約17万円〜50万円程度かかります。
ゴミを撤去する業者には、家財を処分する不用品回収業者と生活ゴミもまとめて撤去する清掃業者があります。
ゴミ屋敷の清掃業者に依頼した場合の間取り別の料金相場は以下のとおりです。
間取り | 料金相場 |
---|---|
ワンルーム | 3万円〜8万円 |
1LDK | 7万円〜20万円 |
2LDK | 12万円〜30万円 |
3LDK | 17万円〜50万円 |
当然ですが、ゴミの量が多いほど作業時間・人件費・車両費などが追加で必要になるので費用はこれより高くなります。
また、アパートのゴミ撤去をした後に水回りや脱臭などのハウスクリーニングを加えると、作業内容ごとに追加料金が発生します。
借主に請求できるゴミの片付け費用には制限がある
借主に請求できるゴミの片付け費用には制限があり、全額請求はできません。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では「原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではない」と明確に定義した上で、借主の故意・過失によって生じた損耗・毀損は請求できるとしています。
例えば、退去時に部屋にカビが発生したとすると、貸主・借主のどちらが負担するかは以下のような状況によって変わります。
- 貸主が負担するケース
断熱性の低い窓を設置しているなど、建物の構造が原因でカビが発生している
- 借主が負担するケース
換気や掃除が不十分など、日常的にカビが発生しやすい環境を作っている
このように、どちらが原因で損耗・毀損が発生したのかで請求先が異なり、ゴミ屋敷の場合は借主に片付け費用を請求できる傾向にあると言えます。
ただし、借主に故意・過失があっても、経年劣化による原状回復費は貸主が負担しなければなりません。
そのため、ゴミ屋敷の片付け費用の全額を請求はできず、借主の入居期間が長かったのであれば、その分請求額が安くなるということになります。
自治体に相談する
自治体への相談も、貸主がとったほうがよい対応の1つです。
各市町村には、ゴミ屋敷の適正管理に向けてゴミ所有者に行政指導を行う「ゴミ屋敷条例」が制定されているからです。
ゴミ屋敷条例は、近隣住民からの苦情や相談をきっかけに行政のゴミ屋敷調査が始まり、必要に応じてゴミ屋敷所有者へ福祉支援などのサポートを行います。そして、有害な環境であるにもかかわらず一向に改善が見られなければ、最終的には行政代執行にてゴミの強制撤去をしてもらえるのです。
行政代執行については、以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はお読みください。
ただし、ゴミ屋敷への直接的な法律が存在しないことから、行政代執行の実行は簡単には行われません。ゴミ屋敷条例によってゴミの強制撤去に成功している自治体もありますが、解決しない可能性もある点は留意しましょう。
ゴミ屋敷専門の買取業者にアパートごと買い取ってもらう
大家さんが取るべき4つの対応策で1番有効な手段は、ゴミ屋敷専門の買取業者にアパートごと買い取ってもらう方法です。
専門の買取業者に依頼すれば、ゴミ屋敷の住人との立ち退き交渉や行政への相談などの手間をかけずに、現状のアパートの状態で買い取ってもらえるからです。
この章では、専門の買取業者に売却するメリットである以下の3つについて解説します。
- ゴミ屋敷の借主とやり取りする必要がない
- 確実にゴミ屋敷の問題を解決できる
- 契約不適合責任を免除してくれる
ゴミ屋敷の借主とやり取りする必要がない
専門の買取業者に依頼する最大のメリットは、ゴミ屋敷の借主とやり取りする必要がない点です。
なぜなら、専門の買取業者はゴミ屋敷を買取した後に、借主との交渉などを丸ごと請け負ってもらえるからです。
例えば、ゴミ屋敷の借主に電話や訪問をしても無視されてしまい、コンタクトを取るのが難しい傾向にあります。
しかし、このような借主に対しても粘り強く連絡をし、接触に成功すれば丁寧にヒアリングを行います。問題のある借主とも目線を合わせて、一緒にゴミの管理状況を改善していけるよう説得をして、アパートの再生を目指すのです。
弊社でも実際に、ゴミ屋敷の借主に頭を悩ませた大家様からアパートを買い取り、長期にわたる説得でゴミ屋敷を改善した経験があります。
ゴミ屋敷の問題を数多く解決してきた弊社だからこそ、ゴミ屋敷問題を抱える大家様のお悩み解決できるよう、全力で対応できると自負しております。
売却の前提ではない相談も随時歓迎しておりますので、いつでも弊社にお問い合わせください。
確実にゴミ屋敷の問題を解決できる
専門の買取業者であれば、確実にゴミ屋敷の問題を解決できます。
なぜなら、専門の買取業者が提示した買取金額に売主が合意すれば、売買はすぐに成立するからです。売主が書類の準備ができ次第決済に進めるので、最短数日で買取も可能です。
このように、スピーディーに、そして確実に買い取ってもらえるので、自治体の行政代執行のように「ゴミ問題が解決しないかもしれない」という不安がありません。
なお、専門の買取業者が確実に買い取れる理由はゴミ屋敷を再生するノウハウがあるからです。
以下の画像は、実際に弊社がゴミ屋敷を買取して再生させた事例です。
ゴミの撤去はもちろんのこと、最低限のコストで最大限に効果のあるリフォームを施し、ゴミ屋敷のような問題を抱えた不動産も確実に買取可能です。
「確実にゴミ問題を解決できる」という安心感は、ゴミ屋敷専門の買取業者だからこそ実現できる方法と言えます。
契約不適合責任を免除してくれる
契約不適合責任を免除してもらえるのも、専門の買取業者に依頼するメリットです。
契約不適合責任とは、不動産の売買完了後、契約書に記載がなかった欠陥などが発覚した場合に売主が買主に対して負う責任です。
つまり、買主から雨漏りなどの不具合に関する通知があると、売主は売却後であっても弁償するなどの対応をしなくてはなりません。
ゴミ屋敷は日常的に劣悪な環境に晒されているので、部屋の至る箇所に損傷が生じている可能性が高く、契約不適合責任を問われる可能性は高いです。
契約不適合責任については、以下の記事で詳しく解説しているので興味がある方はお読みください。
しかし、専門の買取業者であればゴミ屋敷が欠陥を抱えていても問題ありません。専門の買取業者は現地確認で不具合をすべて洗い出せるので、契約不適合責任を設けておく必要がないからです。
実際に、弊社でも以下のようなゴミ屋敷を買取した経験があります。
- 大量の生ゴミによって大量にカビが繁殖しているゴミ屋敷
- 木部が腐食してシロアリが大量発生しているゴミ屋敷
- 家屋の主要部分に損傷があり、傾きのあるゴミ屋敷
このような症状を抱えている不動産も、契約不適合責任を免除で買取可能です。ゴミ屋敷の不具合について不安がある売主様は、ぜひ弊社にお問い合わせください。売却すると決めていない段階での相談も歓迎しております。
ゴミ屋敷化したアパートへ対処する際の3つの注意点
ゴミ屋敷化したアパートへ対処する際の注意点は、以下の3つです。
- 勝手にゴミを片づけてはいけない
- ドアに張り紙を貼って注意してはいけない
- 強引に退去を促してはいけない
借主のゴミ屋敷問題を解決するには、慎重に手順を踏まなければ大家さんが法的なペナルティを科せられてしまいます。
それぞれ順番に解説していきます。
勝手にゴミを片づけてはいけない
1つ目の注意点は、ゴミ屋敷のゴミを勝手に片付けないことです。
明らかに近隣住民に悪影響を及ぼしているゴミであっても、勝手に処分をすると「財産権の侵害」に該当する恐れがあるからです。
法律ではゴミと財産に明確な区分けがされていません。そのため、トイレットペーパーの芯や新聞紙など、一見捨ててよさそうなものであっても「財産を無断で処分された」と借主が主張すれば、勝手に片付けた大家さんに損害賠償金を請求される可能性があるのです。
再三にわたって注意して無視されたとしても、勝手に借主の所有物を処分してはいけません。
ドアに張り紙を貼って注意してはいけない
ドアに注意書きをした張り紙を貼って片付けを煽る行為もしてはいけません。
公の場で他人の名誉を傷つけてしまう行為をすると、名誉毀損罪・侮辱罪に抵触する可能性があるからです。
仮に、「ゴミの処分をお願いします」というごく普通の文面であっても、借主が「侮辱された」と感じれば、かえって大家さんが訴えられる可能性があります。
もし、張り紙を貼って警告したい場合は、自治体へ相談しましょう。
前述したように、自治体への相談で確実にゴミ問題を解決できる保証はないですが、行政代執行までの過程に、ゴミ屋敷に住む人の住所氏名を公表する段階があるので、うまくいけば大家さんの代わりに張り紙をしてもらえます。
大家さん自らの手で、張り紙などを用いて片付けを煽らないよう注意しましょう。
強引に退去を促してはいけない
借主の部屋の鍵を勝手に交換するなど、強引に退去を促す行為をしてはいけません。
仮に相手に非がある状況であっても、「自力救済行為」に該当して大家さんが罰せられる可能性が高いからです。
自力救済行為とは、法律上の手続きをとらずに権利を取り戻そうとする行為です。例えば、「借主がゴミ屋敷問題を発生させていて損害を受けているから」といった理由で、以下のような行為をすることです。
- 鍵を交換して家に入れなくする
- ライフラインを止めて生活できなくする
- ゴミや家財を許可なく処分する
こうした自己の権利を実現する行為を、法律上の手続きを取らずに実行してしまうと、大家さんが住居侵入罪などで刑事罰が科せられる可能性があります。
遠回りな解決策になりますが、自治体など公的な機関を通じてゴミ屋敷を改善するようにしましょう。
アパートのゴミ屋敷化を防ぐのは難しい
アパートのゴミ屋敷化を防ぐのは難しいと言われています。
なぜなら、アパートをゴミ屋敷にする人は「仕事が忙しい」「夜勤が多い」など、職場の環境が原因になっている場合が多いからです。
例えば、夜勤で深夜遅くに帰宅して、ゴミ出しの時間に起きられず「次回まとめてゴミ出ししよう」と処分を後回しする生活が長期間続いてゴミの溜め込みが当たり前になります。
戸建て住宅をゴミ屋敷にする人は、精神的・身体的な要因でゴミ屋敷化することが多いですが、アパートなどの集合住宅をゴミ屋敷にする人は、一見普通の人に見えます。
そのため、ゴミ屋敷の発見が遅れやすく、深刻にゴミ屋敷化してからの対処になってしまうのです。
アパートのゴミ屋敷化を未然に防ぐのは難しいため、発見次第、公的な機関を頼って解決を目指すのが王道と言えます。
なお、なぜゴミ屋敷になってしまうかについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
本記事では、主にゴミ屋敷化した賃貸アパートの対応策について解説しました。
貸しているアパートの一室がゴミ屋敷化している場合、早急に対処する必要があります。放置されたゴミの影響でアパートの資産価値が下がり、さらにゴミ屋敷の状況によっては死傷者を出してしまう恐れがあるからです。
そのまま放置し続けると、賃貸経営は確実に廃業への道を辿ってしまうでしょう。
「放置がダメなことはわかっているけど、ゴミ屋敷問題を解消する自信がない……」とお悩みの方は、専門の買取業者に売却するのがおすすめです。専門の買取業者であれば、確実にゴミ屋敷状態のまま買い取ってもらえる上に、現金化もできるからです。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、ゴミ屋敷を専門に取り扱っている買取業者です。
実際に、2023年にはフジテレビの「イット」でゴミが残された空き家を再生する業者として特集されました。
無料査定を随時行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。もちろん売却を決めていない相談も大歓迎です。