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2023.03.13

【空き家所有者必見!】柏市の空き家対策について徹底取材

少子高齢化の進展や人口減少社会の到来、社会ニーズの変化などにより、全国的に空き家が増加しています。

管理が不十分で荒廃化が進んでいる空き家は、建物の倒壊も起こりうることから、地域にとってさまざまな悪影響があります。

空き家の問題は、地方だけではなく、柏市のような都心部に近接した地域でも身近な問題となっています。柏市は、この深刻化する空き家問題の解決に向け、「柏市空家等対策計画 第2期素案」をまとめ、市民から意見募集を行っています。3月中には「柏市空家等対策協議会」に対しての説明を経て、正式に改定の運びとなります。

今回は、そんな柏市の空き家対策について、市の担当職員の方に直接お話をうかがいました。空き家対策についても具体的にまとめていますので、ぜひ最後までお付き合いください。

 

柏市の空き家数の推移を教えてください。

2022年度(令和4年度)に空き家の実態調査(現地調査及び所有者へのアンケート)を実施しました。

調査の結果、柏市の空き家の総数は1739件あり、そのうち21.4%に相当する372件が特定空き家の候補となりました。


引用元:2017年度(平成29年度)と2022年度 (令和4年度)の空き家や特定空き家の候補数の比較(出典:柏市)

空き家対策事業の根拠とする国の法律「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、特定空き家について次のように定義しています。

  1. 倒壊など著しく保安上危険となるおそれのある状態
  2. 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
  4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

参照元:e-GOV 空き家対策の推進に関する特別措置法

このうち1つ以上の要件を備えた空き家については、特定空き家の候補として扱います。

2017年度(平成29年度)の調査と比較しますと、空家の総数は、1631件から1739件と推移し、108件(6.6%)の増加、特定空き家の候補は226件から372件と推移し、146 件(64.6%) の増加です。

特定空き家の候補の大幅な増加は、2017年度は9月~10月の調査であるのに対し、2022年度は7月~9月の調査であるため、調査時期による影響が考えられ、立木の繁茂のみが理由に特定空き家の候補になっているものが138件あります。

2017年度(平成29年度)で空き家と判定された建物のうち、解体や新規入居などの理由で空き家ではなくなった建物が818件。しかし、2017年度(平成29年度)以降に新たに空き家になったと判定された建物が926件と、空き家は一部解消されている反面、新たに増えています。

引用元:柏市空家等対策計画【第2期】(素案)

柏市は都心からのアクセスの利便性が高く、千葉県の中でも人気の地域ですが、それでも空き家が発生しています。この問題についてもうかがいました。

 

千葉県の人気エリアでも空き家が増える理由はなぜでしょうか

JR常磐線やつくばエクスプレス線の各駅近くの空き家は解消されているという朗報がある一方、合併の歴史により、市の面積も広がり、駅から離れ、立地的に不便な空き家はそのまま継続して残っているのです。

ただし柏市は都心からも近く、不動産会社も多いことから、不動産の流通もほかのエリアと比較すると進んでいます。

 

空き家対策について

空き家発生前と直後に対策を打つことにしています。具体的な対策は次の通りです。

 

地域団体との連携

空き家の情報は、行政よりも近隣住民が知っているケースが多い。一部の自治会(町内会)では確認した空き家に関する情報について、自主的に市へ報告しており、柏市ではその情報をもとに空き家の状況を確認し,適切な管理を所有者に促しています。

今後、空き家情報について地域団体との結びつきを一層深めることを検討しています。

 

カシニワ・おうち制度

誰も住まなくなってしまった空き家でも、新たな活用方法により、魅力的な場所に生まれ変わることがあります。

柏市では空き家や空き店舗の活用を促進するため、市独自の制度「カシニワ」に「カシニワ・おうち」を設立しています。

このカシニワ制度は、身近にある空き地を、地域の人々が手を加え、みんなが使える「地域の庭」にすることで柏の緑を守り、増やす目的で、2010年(平成22年)に誕生しました。

もっと自由な発想で色々なことにオープンスペースを活用していくとともに、あわせて空き家の活用も応援していこうと、2021年(令和3年)に「カシニワ・おにわ」と「カシニワ・おうち」へと生まれ変わりました。情報バンクには、空き家・空き地などの情報が掲載されています。ここに掲載されている空き家については、貸したい人と借りたい人の意向が合えば、地域の図書館、子ども食堂、オープンガーデンなど、さまざまな使い方が可能です。

参照元:カシニワ制度

また、空き家の活用を促進する目的で補助制度の運用をスタートし、活用のモデル的な事業に対する補助、空き家を特定の施設として整備する場合の整備費用の補助を行っています。

上限300万円、対象経費の1/2まで補助していて、地域の通いの場の整備にも使われています。

実際の活用事例(ビフォー)

 

実際の活用事例(アフター)

空き家の所有者などの調査・特定

柏市にも相続放棄され相続人が存在しない空き家があります。

柏市では、特定空家の解体・再流通を目的として、家庭裁判所に相続財産管理人選任の申立てを行っています。家庭裁判所は申立てによって、相続財産の管理人を選任します。

何らかの理由により相続放棄され、相続人が存在しない空き家は、そのままでは地域住民の生活環境に悪影響を及ぼす恐れが高いことから、柏市では空き家対策として財産管理人制度を積極的に活用しています。柏市では、財産管理人選任申立を毎年5件程度実施しています。(2017年度(平成29年度)~2022年度(令和4年度)延べ24件)

一般的には相続財産管理人は弁護士が就任することが多く、相続人が不在であることを確認すると、家庭裁判の監督のもと相続財産管理人が第三者に任意売却か競売にかけ売却されます。その後、購入者により空き家は解体され、新規住宅の建築等,再度,不動産市場で流通され、新たな住民に住んでもらうことが期待できます。

財産管理人の申立てについては2023年度(令和5年度)も約5件の申立てを予定しています。この財産管理人申立て制度については、他の地方自治体によりも積極的に進めている制度だと思います。

 

空き家相談員制度

空き家相談員の相談は、空き家を所有する方が、空き家を今後どうしていくかを考える手助けとするものです。

相談員の1回のみの相談は無料です。相談例としては、活用方法、賃貸・売却、改修工事、安全対策、登記などがあります。

柏市は2018年(平成30年)11月に専門家5団体(千葉司法書士会、一般社団法人千葉県宅地建物取引業協会東葛支部、公益社団法人全日本不動産協会千葉県本部、公益社団法人千葉県建築士事務所協会東葛支部、一般社団法人千葉県建築士会柏・我孫子支部)と空き家に対策に関する協定を結んでいます。
2019年(平成31年)2月から空き家の専門家による「空き家相談員」を紹介する空き家相談員制度が設けられています。「空き家相談員」は専門家5団体の推薦を受けられた方が就任されます。

引用元:広報かしわ(平成31年2月1日号)

官民連携の思い

空き家の問題は民間の活力を活用しないと、先に進まないと考えています。今後は積極的に進めたいと思います。

 

柏市民に対するメッセージ

空き家は今や社会全体の問題となっています。専門家5団体と協定を結んでおりますので、小さなことから大きなことまで、是非ご相談に来ていただければと思います。

相談の窓口は、柏市役所住宅政策課です。

 

まとめ

柏市のような都心に近いエリアでも空き家で増え続けることに危機感を感じました。

さまざまな具体的な手段を講じることに、解決の道を示したといえます。

今後の柏市の取り組みに大いに期待したいところです。

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