共有者が認知症を患うと共有不動産の売却は困難になる
共有者の1人が認知症を患った場合、不動産全体を売却することは不可能とまでは言えないものの、非常に困難となります。
詳しくは後述しますが、共有の不動産は共有者1人の意思で「処分行為(売却含む)」をすることは不可能で、共有者全員の合意が必要だからです。
認知症で意思能力が無いと判断されると売買契約は無効
認知症がある程度まで進行していて「意思能力がない」と判断されると、売買契約を締結しても法律的に「無効」となります。
(意思能力)
民法第3条の2
法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。引用元:民法第3条の2
意思能力とは「行為の結果を判断するに足るだけの精神能力」のことです。
参照元:法務省ウェブサイト
意思能力を喪失している人は法的に「意思無能力者」とよばれます。
つまり、不動産売買の場面では「売買することにより自分が権利を失って相手方に権利が移る。そして売買代金の授受がある」ということを明確に理解できなければ意思能力ありとはいえません。
意思能力の有無は、具体的には下記のような場面で問題となり、判断がされます。
「不動産取引に入ろうとする段階では、不動産業者や司法書士などの第三者が商談や事務手続きを通じて売主や買主とコンタクトを取るが、売主本人の理解力を疑う状況であれば意思無能力者とみて取引を中止することがある」
「取引が完了している状況において、相続人等の利害関係人から、取引当時売主は意思無能力者であった、ひいては取引が無効だという主張がされ裁判等になった場合には、取引当時の売主の主治医や裁判所が各種証拠を用いて判断する」
いったん行われた売買が後から無効になり原状に戻すのは非常に大変なことですので、当事者の意思能力が疑われる場合には無理に取引を行うことは避けなければなりません。
共有不動産を全体として売却するには共有者全員の合意が必要
2人以上の人が名義を持っている「共有不動産」の全体を売却しようとする場合には、共有者全員が合意しなくてはなりません。
また、手続きの具体的な場面でも、共有者全員が契約書に署名する、代金の決済に出席する、印鑑証明書を提出するなどの形で関与しなくてはなりません(他の共有者に対し委任状を発行して委任することは可能)。
不動産の売却や抵当権の設定など、不動産の法的、物質的な本質部分を変更させる行為(変更、処分行為とよぶ)は、民法で「共有者全員の合意が必要」と定められているからです。
(共有物の変更)
民法第251条
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。
(省略)引用元:民法第251条
上記のような「意思無能力者」が1人でもいる場合、売買契約が無効になるため、不動産業者や司法書士に売却を止められる結果となります。
委任状を作成した場合も無効となる
意思無能力者の代理人と称する人が委任状(下図参照)を持参した取引も、無効であることには変わりありません。
【委任状】
なぜなら「他の共有者に売買の手続きを任せる」こと自体が「委任契約」という法律行為にあたるため、意思無能力者が行うことが不可能だからです。
親の印鑑を子供が使用して委任状を作成し不動産を売却してしまった場合、後日売主または売主の1人が意思無能力者であったことが発覚すると、当該取引は遡って無効となります。
なお、共有名義の売却の流れや委任状の作成方法については以下の記事を参考にしてください。
共有者が認知症を患った共有不動産の売却方法
もし共有者が認知症を患って意思無能力者となってしまったら、どのようにして共有不動産を売却したらよいのかご紹介します。
成年後見人を立てて不動産全体として売却する
意思無能力者の法律上の代理人として「成年後見人」を選任し、その上で他の共有者とともに不動産全体を売却する方法があります。
成年後見制度の概要
成年後見とは「認知症、知的障害、精神障害などにより判断能力が十分でない方を法律的に支援する制度」です。
さらに具体的にいえば、判断能力が不十分な本人の財産を守るために財産管理をしたり、身上監護を行うのが成年後見人の役割です。
身上監護とはあくまでも「介護施設入所や病院等の入退院手続き」等、事務的な仕事を行うのであり、実際の介護を指しているわけではありません。
なお、成年後見には大きく分けて家庭裁判所が選任する「法定後見」、そして本人が契約、選任する「任意後見」の2つの類型があります。
さらに、法定後見の中には、支援が必要な程度が強い方から順に「後見」「保佐」「補助」の3つの段階があります。
それぞれの特徴などを以下の表にまとめました。
法定後見 (後見) |
法定後見 (補佐) |
法定後見 (補助) |
任意後見 | |
---|---|---|---|---|
保護の対象者 | 精神上の障害により事理を弁識する能力(※)を常に欠く状態にある人 | 精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分な状態にある人 | 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な状態にある人 | 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な状態にある人 |
本人の同意 | 不要 | 不要だが、代理権を付与する場合は必要 | 必要 | 必要だが、本人の判断能力低下により意思表示が不可能な場合には不要 |
後見人の選任方法 | 申立権者が家庭裁判所に選任の申立てを行い、家庭裁判所が選任する | 法定後見(後見)と同じ | 法定後見(後見)と同じ | 公正証書による任意後見契約を通じて、本人が選任する |
後見人に付与される 代理行為 |
財産に関するすべての法律行為 | 家庭裁判所が審判した特定の行為 | 家庭裁判所が審判した特定の行為 | 任意後見契約で定めた行為 |
後見人の合意を 必要とする行為 |
なし(日常生活に関する行為を除き、本人は法律行為ができない) | 民法第13条1項各号(※)の行為のほか、家庭裁判所の審判により追加可能 | 家庭裁判所が審判した行為(民法第13条1項各号の行為に限る) | なし |
後見人が取り消せる 行為 |
日常生活に関する行為を除くすべての法律行為 | 民法第13条1項各号の行為のほか、家庭裁判所の審判により追加可能 | 代理権または同意権が付与された行為 | なし |
※事理を弁識する能力・・・自己の行為の結果を認識、理解できる能力のこと
※民法第13条1項の行為は以下のとおり
(保佐人の同意を要する行為等)
民法第13条
被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
元本を領収し、又は利用すること。
借財又は保証をすること。
不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
訴訟行為をすること。
贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成15年法律第138号)第2条第1項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
新築、改築、増築又は大修繕をすること。
第602条に定める期間を超える賃貸借をすること。
前各号に掲げる行為を制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の法定代理人としてすること。引用元:民法13条第1項
成年後見制度というのはあくまでも「本人を保護するために存在する制度」であるという認識を最初に持っておかなくてはなりません。
つまり、「後見人をつければ親族の判断で本人の財産が自由に動かせる」かのような誤解をしてはならないということです。
むしろ、法定後見では家庭裁判所の関与があることから、親族の考えていたような不動産売却も家庭裁判所から許可がおりない可能性があることを覚悟しなければなりません。
そして、いったん後見人をつけてしまったら、目的である行為(不動産売却や遺産分割など)が終了した後も後見人が辞任してよいわけではなく、原則的に本人の死亡まで後見業務を継続しなければなりません。
つまり、後見制度自体に不自由を感じて利用を途中でやめたいと希望しても認められないのです。
親族が後見人になった場合、定期的に家庭裁判所とのやりとり、報告義務などの負担が生じますし、専門家後見人(弁護士、司法書士、社会福祉士など)がついた場合には報酬が発生します。
報酬額は本人の財産によるため一概には言えず、家庭裁判所がその年の後見人の業務内容などに照らして判断、決定します。
以上の点を熟知した上で申立人は事前にしっかりと考え、後見制度に詳しい法律事務所などに相談した上で決断することをおすすめします。
自己居住物件の売却には家庭裁判所の判断が必須
被後見人(意思能力を失った本人)が自己の居住用として使っている、あるいは使っていた不動産を成年後見人が売却する場合、家庭裁判所の許可が必要です。
居住用不動産というのは現に居住していることだけではなく、
「過去に居住しており、今は施設に入所している」
「将来的に居住の可能性がある」
というケースも含まれます。
具体的にどういった場合に許可がおりるのかは家庭裁判所、または後見制度に詳しい法律事務所などに相談しましょう。
子供が自分の共有持分のみを売却する
親子共有の不動産について、子供が「自己の持分のみ」を売却して共有関係から離脱することは、成年後見人を選任しなくても可能です。
成年後見人をつけて売却する場合、申立書類を準備し、申立て手続きや選任審判、居住用不動産処分の許可等を経て行われるため、実際に後見人をつけて売却完了までに1年以上かかることもあります。
共有持分のみを売却する場合、一般の買い手をつけることは困難ですが、共有持分買取を専門に取り扱う不動産業者への売却を検討することは可能です。
不動産業者への売却は一般の買い手とは異なり、売却し現金化するまでが非常にスピーディであり、自分のみの判断で済むため、見積もり金額や手順、売れるまでの見込み期間などを相談してみるとよいでしょう。
なお、自身の持分のみの売却をお考えであれば、ぜひ弊社Albalink(アルバリンク)にご相談ください。
我々は持分に特化した専門の不動産買取業者です。
共有している親御さんが認知症を患ってしまっても、他の共有者から売却の合意を得られなくても、共有関係を解消できるよう、全力でお力添えさせていただきます。
無料相談・無料査定は24時間365日受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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成年後見人選任手続きから不動産売却までの流れ
成年後見人を選任して不動産全体の売却を試みる場合、成年後見人選任手続きから不動産を売却するまでの流れを確認してみましょう。
専門家へ相談
成年後見人をつけるにあたっては、成年後見制度への正しい理解、納得は絶対に必要ですので、まずは後見制度に詳しい法律家への相談を行いましょう。
司法書士や弁護士などで後見業務を積極的に取り扱い、実務での様々なケースを経験している事務所への相談がおすすめです。
法律事務所のウェブサイトなどを見て、後見業務に力を入れていることがわかることもあります。
また、成年後見を行う司法書士を統括する団体である「公益社団法人成年後見センターリーガル・サポート」のサイトから会員検索を行う方法もあります。
申立人と申立先の確認
申立をする権限があるのは次の人です。
- 本人(後見開始の審判を受ける者)
- 配偶者
- 四親等内の親族
- 未成年後見人
- 未成年後見監督人
- 保佐人
- 保佐監督人
- 補助人
- 補助監督人
- 検察官
任意後見契約が登記されているときは任意後見受任者、任意後見人及び任意後見監督人も申し立てることが可能です。
申立先は「本人の住所地の家庭裁判所」ですが、住民票がある場所に現在居住しておらず、施設などなどにいる場合は「居所」である施設を基準に管轄を判断します。
参照元:裁判所|申立てができる人
診断書の取得
医師に本人の状態についての診断書を依頼します。
成年後見の申立用に家庭裁判所が準備しているフォーマットを使用し、「病名」や「入院などの有無、期間」「財産管理や処分能力の程度」などを医師に記入してもらいます。
大体、診断書の費用は1万円程度ですが、人によってはさらに詳細な医師の診断を家庭裁判所から求められるため、「鑑定」の手続きを行いプラス10万円程度の費用がかかることもあります。
必要書類の準備
成年後見の申立てに必要な書類を準備しますが、それぞれフォーマットや記入方法が細かく指定されています。
家庭裁判所ウェブサイトの中には、一般の人にもわかるように易しい言葉で、書類の詳細や記載方法について説明してあります。下記の「具体的な内容や記載例」のリンクから必要な書類のフォーマットもダウンロードできるようになっています。
なお自分で準備することが難しい人は、費用はかかるものの、書類の準備や記入を法律家にサポートしてもらうのもよいでしょう。
成年後見の申立書類は家族にしかわからない情報を記入する欄も多いため、法律家に丸投げすることは難しいのですが、取得や記入の方法を教えてもらうだけでも効率良く進めることが可能になります。
家庭裁判所への申立
上記に解説した書類がすべて調ったら管轄の家庭裁判所に申立てを行います。
「申立人、後見人候補者」など関係者との面接を行って詳しい事情を聞く手続きを取るところもあるため、各家庭裁判所により若干システムが異なるといえます。
東京家裁などのように事前に電話で面接日時を予約するルールになっていることもあるため、管轄の家庭裁判所がどのようなシステムになっているのかを直接家庭裁判所に尋ねるか、法律家に質問しておくとよいでしょう。
審理・審判
書類の一切を確認、また、関係者への面接の内容を踏まえて後見開始の審判が行われます。
申立書類の中で「後見人候補者」として挙げた人物が適格であると家庭裁判所が判断すればそのまま成年後見人に選任されますし、専門家後見人が必要であるとされれば家庭裁判所が弁護士や司法書士などを選任します。
専門家後見人に対しては、後見をつけられた本人の財産に応じた報酬がかかりますが、報酬額は家庭裁判所が決定します。
また、本人の能力の程度によっては「申立人は後見人選任を申し立てたものの、認知症の程度がもう少し軽いとされ、保佐開始の審判が下された」のようなことも考えられます。
後見の登記
管轄の家庭裁判所から東京法務局に「嘱託(官公庁が当事者として行う登記)」される形で後見の登記が行われます。よって、当事者が申請する必要はありません。
後見の登記が行われるとその後は「登記事項証明書」によって成年後見人が誰であるかを証明することが可能になるため、金融機関などから代理権証明を求められた際に提示することになります。
なお、申立てから登記までの期間は管轄の家庭裁判所や事案によるため、まちまちです。
書類の準備を開始してから後見の登記が完了するまでは、諸手続きで半年以上かかることも覚悟しておいた方がよいでしょう。
認知症が心配・まだ軽度なら早めに共有持分を贈与しておく
最近物忘れが多くなってきたものの、まだ判断能力があると考えられる程度であれば「共有持分の贈与」を検討する余地もあります。
親持分を子供に譲れば子単独名義として自由に売却・活用可能
親にまだ判断能力があるうちに子供に持分を譲渡し、子供の単独名義にしてしまえば子供だけの判断で自由に売却や活用などが可能となります。
上に解説したように、共有状態になっていると、売却などの処分行為や重大な管理行為は共有者一人で行うことは不可能です。
判断能力が失われてから成年後見人などの煩雑な手続きを初めて調べ、その大変さに慌てる人も多いため、とにかく「親が法律的な話について判断が可能なうちに」権利移転をしておくことが大切なのです。
贈与税が発生するので注意
親の持分を子供に贈与する場合に気をつけなくてはならないのが「贈与税が発生する可能性がある」ということです。
参照元:財務省|贈与税について
贈与税の計算方法については国税庁のウェブサイトに細かく掲載されていますが、「直系尊属(親や祖父母)から成人(18歳以上)の子供」への贈与、つまり「特例贈与財産」とよばれる例を見てみましょう。
贈与税の計算は、まず、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。
続いて、その合計額から基礎控除額110万円を差し引きます。
次に、その残りの金額に税率を乗じて税額を計算します。
基礎控除後の 課税価格 |
200万以下 | 400万円以下 | 600万円以下 | 1,000万円以下 | 1,500万円以下 | 3,000万円以下 | 4,500万円以下 | 4,500万円超 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
特例税率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
控除額 | ー | 10万円 | 30万円 | 90万円 | 190万円 | 265万円 | 415万円 | 640万円 |
贈与により特例贈与財産500万円を取得した場合
500万円 ー 110万円(基礎控除額) = 390万円(基礎控除後の課税価格)
390万円 × 15%(特例税率) ー 10万円(控除額) = 48万5千円(税額)
上記の例があてはまるのは「相続時精算課税を選択していない」人の贈与におけるケースです(暦年課税)。
もし、大型贈与を予定している人は「相続時精算課税」を選択する方法もあります。
相続時精算課税を用いると、60歳以上の父母または祖父母などから18歳以上の子または孫などに対して財産を贈与した場合に、2,500万円までの贈与が課税対象外となり、2,500万円を超える贈与では一律20%の贈与税で贈与することが可能となります。
参照元:国税庁|相続時精算課税の選択
相続時精算課税を用いて行った贈与額は相続が開始した際の相続財産に参入されることとなります。
よって、相続財産への持ち戻しを考慮してもなお「相続税の基礎控除(3,000万円+相続人の数×600万円)」を超えないと見込まれる家庭では、非常に有効な贈与の方法です。
ちなみに、注意点としては以下の2点が挙げられます。
- 相続時精算課税を選択することを贈与の翌年に税務署に対して届出なければならない
- 一度相続時精算課税を選択すると暦年課税に戻ることができない
相続時精算課税を選択する前に税理士に相談し、税務署への届け出まで依頼することをおすすめします。
なお、相続における贈与については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
贈与手続きの流れと費用
贈与の手続きの大まかな流れと費用を解説します。
贈与契約書を作成
まず、「誰から誰へ」「何を」「いつ」贈与するのかといった情報を記載した「贈与契約書」を作成します。
登記を司法書士に依頼すると、登記の手続きに使用可能な様式で作成してくれます。
登記必要書類を準備
登記の必要書類としては次のようなものがあります。
- 贈与契約書(署名押印済み)
- 贈与者(あげる人)の権利証または登記識別情報通知
- 贈与者の印鑑証明書(3か月以内)
- 受贈者(もらう人)の住民票(期限なし)
- 双方からの司法書士への登記委任状(贈与者は必ず実印を押印)
委任状は司法書士の事務所に準備されているフォーマットを利用するのが一般的です。
登記申請
司法書士が贈与する不動産を管轄する法務局に登記申請を行い、大体2週間程度で登記が完了します。
ただ、申請件数の多い法務局や、混雑する時期だとさらに期間がかかる場合があります。
なお、登記申請にかかる費用は次のとおりです。
- 登録免許税(登記の際に法務局に納める国税)
- 不動産の固定資産税評価額(課税価格)の1000分の20ですが、持分を贈与する場合には固定資産税評価額に持分を掛けた価格が課税価格となります。
- 例えば、5,000万円の不動産の持分2分の1を贈与するなら、(5,000万円/2)×20/1000=50万円 となります。
- 実費(登記事項証明書取得等の費用や郵送費など)
- 不動産の数にもよりますが、一般的には数千円
- 司法書士報酬(事務所により異なる、また不動産の数などにより異なる)
- 大体、不動産一つにつき3万円~7万円程度、贈与契約書の作成を依頼した場合には別途1万円~3万円程度の報酬が相場。
なお、現在の司法書士報酬は自由化されているため、依頼する前に概算見積もりを取っておくのがおすすめ。
まとめ
認知症で判断能力を失ってしまうと、たとえ子供が代理しても不動産の売買は不可能であり、唯一代理権限があるのは家庭裁判所に選任された成年後見人だけです。
ただし、居住用不動産を成年後見人から売却する際には家庭裁判所の許可を要します。
成年後見人選任を家庭裁判所に申し立てる手続きは、準備する書類等も多く時間がかかり、いったん選任された後見人は本人の死亡まで業務を続けなければならないため、よく検討してから選択するべきでしょう。
なお、共有者である子供が自己の持分のみを売却するのであれば、他の共有者の合意は不要です。
持分の所有者本人だけの判断で売却可能なので、その際は持分買取を得意とする不動産業者に依頼するのが現実的でしょう。
なお、弊社Albalink(アルバリンク)は、持分のみに特化した専門の買取業者です。
共有者が認知症を患ってしまっていても、共有者同士の仲が決裂していても、売主様(持分の所有者様)が面倒な手続きを行う必要は一切ありません。
無料相談・無料査定は年中無休で受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。