通勤時間にストレスを感じる人は84.6%
「通勤時間にストレスを感じるか」を聞いたところ、「とても感じる(39.9%)」「まあ感じる(44.7%)」と回答した人が合わせて84.6%となりました。
通勤に片道1時間かけている人のうち、8割以上が通勤時間にストレスを感じているとわかります。
「長時間の通勤で、会社に着くころには疲れとイライラが溜まっている」という人もいるのではないでしょうか。
通勤でストレスが溜まると、仕事のパフォーマンスや仕事への満足度も下がりやすくなると考えられています。
通勤時間のストレス1位は「座れない」
通勤時間のストレス1位は「座れない(159人)」。僅差の2位は「混雑している(141人)」でした。
以降、3位「時間を無駄にしている(43人)」、4位「マナー違反する人がいる(40人)」、5位「感染症が怖い(38人)」と続きます。
大きく分けると「体力の負担」「精神面の負担」「時間に関すること」という3パターンの回答がありました。
満員電車は混雑していて周りに気を使いますし、座れなくて疲れてしまうことも。
人との距離が近いと感染症のリスクが気になり、マナー違反する人を見かける機会も多いかもしれませんね。
多くの回答に「駅や電車が混みすぎている」という原因があるようです。
1位 座れない
- 座れないときが多く疲れる(20代 女性)
- 疲れているときに座れないとストレスを感じます(30代 男性)
- なかなか席が空かずずっと立っていると、通勤だけでとても疲れます(40代 女性)
1位は「座れない」でした。
電車・バス通勤で、疲れているときや荷物が多いときに座れないと、ツラいですよね。
1時間以上立ちっぱなしだと、足が疲れてパンパンになってしまう人もいるのではないでしょうか。
長時間の電車・バス通勤の場合、座れるかどうかで一日を気持ちよくスタートできるかが左右されそうです。
2位 混雑している
- すし詰め状態のため、身動きができず息苦しい(20代 女性)
- 満員電車で押されること(30代 女性)
- 混み合う電車内のよどんだ空気にストレスを感じる(40代 男性)
2位は「混雑している」です。
ぎゅうぎゅう詰めの車内で、息苦しさや押されたときの痛みにストレスを感じている人も多数。
とくに「他人と密着するのが苦手」「人混みが嫌い」という方にはツラい環境です。
混んでいると本を開いたりスマホを見たりもできず、何もせずただ耐えるだけの時間になることもあります。
3位 時間を無駄にしている
- 長時間やることがなく、時間を無駄にしている感じがする(10代 男性)
- 車通勤のため「寝る」「勉強する」などができず、時間の無駄に感じる(20代 女性)
- 「移動時間はお金にならないからもったいない」と思いながら出勤しているため、ストレスを感じます(30代 女性)
3位は「時間を無駄にしている」でした。
通勤時間中に勉強や趣味ができない環境の場合、時間を無駄にしていると感じることが多くなりそうです。
「在宅勤務後に通勤すると、時間の無駄だと感じる」という意見も。
リモートワークが通勤時間への意識を変えたことも伺えました。
4位 マナー違反する人がいる
- 混雑しているところで「スマホをいじりながら歩く人」とぶつかること。また公共交通機関内で通話するなど、周りに配慮していない人(20代 男性)
- 混み合った電車で大きいリュックを背負ったままの人や、席に荷物を置いて占領している人(30代 女性)
- 女性専用車両に乗ってくる男性がいること(40代 女性)
4位は「マナー違反する人がいる」でした。
具体的なマナー違反としては「歩きスマホ」「電車内で騒ぐ」「席を占領する」などが挙げられました。
マナー違反を見かけてイライラしても、注意して開き直られたり怒鳴られたりすると怖いので、何も言えない人が多いのではないでしょうか。
途中で降りることもできない場合、長時間マナーの悪い人と同じ空間にいることになり苦痛ですね。
車通勤の人からも、「割り込みなどマナーの悪い運転者がいる」などの回答がありました。
5位 感染症が怖い
- 感染症が心配で、ストレスがたまる(20代 女性)
- 感染リスクが高い(30代 男性)
- マスクなしで咳をしている人がいる(50代 男性)
「感染症が怖い」が5位でした。
マスクの着用は個人の判断に委ねられていますし、人によって感染症への考え方も異なります。
感染症に対しての恐怖が大きい人は、満員電車や人の多い駅で不安を感じるかもしれません。
6位 渋滞にはまる
- 毎日渋滞にはまってしまい疲れる(20代 女性)
- 信号にちょくちょくひっかかり、渋滞でダラダラと動いたり止まったりを繰り返し、神経の負担感・疲労感が出てきます(30代 男性)
- 車通勤なので、渋滞にはまると始業時間に間に合うか不安になる(40代 女性)
6位は「渋滞にはまる」でした。
車通勤だと一人の空間で気楽ですが、渋滞というストレスがあります。
渋滞していなければ2~3分で走れる距離に、10~15分かかってしまうことも少なくありません。
そのため、渋滞を見越して早く家を出なければいけないといったストレスもあるでしょう。
7位 早起きが必要
- 車通勤で1時間~1時間半かかります。朝の道路状況がよめないため、かなり時間の余裕をもって家を出なければなりません(20代 女性)
- 朝が早いので、早起きをしなければいけないのがストレス(50代 男性)
7位は「早起きが必要」でした。
通勤時間が長いせいで早起きする必要があり、睡眠時間が短くなってしまう人も多いようです。
帰りも時間がかかるため、就寝時間が遅くなってしまうデメリットもありますね。
8位 バス・電車が遅延する
- 通勤時間が長い分、電車が遅延したときの影響が大きくなる(30代 女性)
- 電車の遅延が多いので、遅刻のことを気にしてイライラする(40代 女性)
- 3日に1回ぐらい電車が遅延するので、ストレスを感じる(50代 男性)
8位は「バス・電車が遅延する」でした。
電車が遅延すると会社に遅刻し、周りからの心証が悪くなったり、予定していたスケジュールをこなせなかったりすることも。
乗り継ぎが多い人は、ひとつの路線が遅延するとスムーズな乗り継ぎができなくなり、大幅に遅刻してしまうケースもあります。
遅延証明書を提出すれば遅刻扱いにならない会社も多いですが、「同僚に迷惑をかけるのでは」などと心配になりますよね。
また帰宅時にバス・電車が遅延や運休をすると、帰宅時間が大幅に遅くなり、ぐったりしてしまうこともあります。
9位 運転がしんどい
- 毎日の運転がキツイです(30代 女性)
- 車通勤のため、目が疲れる(30代 男性)
- 車通勤による腰痛がツラいです(40代 男性)
9位は「運転がしんどい」でした。
車通勤だと、疲れていても腰が痛くても、自分で運転して通勤しなくてはいけません。
疲れているときや眠いときでも、事故を起こさないように注意しつつ長時間運転しなくてはいけないのは大変です。
「細い道」「歩行者や自転車が多い道」「街灯が少なく、夜になると暗い道」などを通る人は、とくに疲れてしまうのではないでしょうか。
10位 ニオイが気になる
- 夏は人の汗のニオイが気になる(20代 女性)
- 人の体臭(30代 女性)
10位は「ニオイが気になる」でした。
「汗や香水のニオイが気になってストレス」「車内のニオイが嫌い」などの回答が寄せられました。
満員電車だとニオイの元から離れることもできず、苦痛に感じてしまう人が多いようです。
敏感な人だと、柔軟剤の香りで気持ち悪くなってしまうこともありそうですね。
通勤時間が長いことのメリットは「読書できる」
次に、「通勤時間が長いことのメリット」を聞きました。
1位になったのは「読書できる(94人)」です。
2位「勉強できる(72人)」、3位「一人の時間をもてる(58人)」、4位「音楽が聴ける(57人)」、5位「寝られる(54人)」と続きます。
回答はさまざまでしたが、時間を好きに使えることがポイントといえそうです。
「家や職場ではできないこと」「家族や同僚がいるとできないこと」をできるのが、通勤時間のメリットでしょう。
なお「メリットはない」と答えた人は37人でした。
1位 読書できる
- もし混んでいなくて座れれば、読書する時間に充てられるので快適に過ごせます(30代 女性)
- 読書するのには都合がいい(40代 男性)
- 読書の時間を確保できる(50代 男性)
1位は「読書できる」でした。
混んでいない、もしくは座れる状況なら、電車やバスの中で読書を楽しめます。
乗り換えが少なくずっと同じ電車に乗っているなら、読書もはかどるでしょう。
2位 勉強できる
- スマホでできる範囲の勉強が可能(20代 女性)
- リスニング形式の英語を勉強できる(40代 男性)
- 始発駅なので、座っている間に資格取得の勉強ができる(50代 男性)
2位は「勉強できる」です。
スマホで勉強したり、英語音声を聞いたりしている人も多いようです。
聞く勉強なら、混雑した車内でスマホ画面を見られなくても勉強できそうですね。
通勤時間を勉強にあてることで、勉強の習慣化ができます。
3位 一人の時間をもてる
- 自分と向き合う時間をつくれる(20代 男性)
- 普段子どもとずっと一緒にいるので、一人の時間を過ごせることがメリットです(30代 女性)
- 誰にも邪魔されず、一人の時間を満喫できる(40代 女性)
3位は「一人の時間をもてる」でした。
子育てや介護で忙しい人は、一人の時間がもてることに大きなメリットを感じるのではないでしょうか。
車通勤であれば、周りの人に気を使うこともなく、一人の世界に没頭できます。
4位 音楽が聴ける
- 好きな音楽を長く聴ける(20代 女性)
- 音楽を聴きこめる(30代 女性)
- 音楽鑑賞が趣味なので、行き帰りに車の中で好きな音楽をゆっくり聴けることが唯一のメリットだと思います(40代 男性)
4位は「音楽が聴ける」でした。
通勤中に好きな音楽を聴けることにメリットを感じている人も多いとわかりました。
好きな音楽を聴くことで、リラックスしたり、やる気が高まったりする効果もありそうですね。
ただし公共交通機関では「ヘッドフォン・イヤフォンからの音漏れ」に注意が必要です。
車でもあまり大きな音で流すと、車外に音が漏れてしまいます。
5位 寝られる
- 寝られるので、寝不足解消になる(30代 女性)
- 座れたときには少し仮眠できること(40代 女性)
- 電車の中である程度眠れたときは頭がすっきりするので、仕事が捗ります(50代 男性)
「寝られる」が5位でした。
電車の中で座れれば寝られるため、「睡眠不足だと助かる」と感じる人もいます。
ただし寝過ごさないように注意が必要ですね。
またウトウトして隣の人にもたれかかってしまうのも嫌がられます。
6位 動画を観られる
- ドラマをゆっくり観られること。だいたい1~2話見られるので、動画配信サイトにお世話になっています(30代 女性)
- 行き帰りで映画を最後まで観られる(40代 男性)
6位は「動画を観られる」でした。
通勤時間中に映画やドラマ、アニメなどを見て楽しんでいる人も多いとわかります。
子育てや介護に忙しいと、「通勤時間にしかゆっくり観られない」というケースもあるでしょう。
観たい動画があれば通勤時間も多少は楽しみになりますし、楽しく視聴していれば長い通勤時間もあっという間に過ぎそうですね。
7位 考えごとができる
- フラットな気持ちで考えごとができる(30代 男性)
- 空いていて座れたら、幸せなことを想像するなど、物思いにふけれる(40代 女性)
- 自分の将来についてじっくり考えられる(60代以上 男性)
7位は「考えごとができる」です。
考えていることはプライベートなことから仕事についてまで、さまざまでした。
立ちっぱなしでも考えごとはできそうですが、「座れたら」という人もいました。
落ち着いて考えたいときは、満員電車で押し合いへし合いしながらではなく、座っている状態の方がいいかもしれませんね。
8位 情報収集できる
- スマホで調べ物などができる(30代 女性)
- 朝のニュースで、時事ニュースを仕入れる。営業時の雑談ネタに困ることがない(40代 男性)
- 運転中にラジオで情報収集する(50代 女性)
8位は「情報収集できる」でした。
情報の元は「ラジオ」「ネットニュース」「SNS」などです。
通勤時間を有効活用して、仕事に関するニュースや最新の動向をチェックしている人も多いとわかりました。
9位 ぼーっとできる
- 仕事終わりに疲れ切っているので、一人で何も考えずぼーっとできる時間があるのはメリット(30代 女性)
- 何も考えずにボーッとする時間をつくれる(40代 男性)
9位は「ぼーっとできる」でした。
バス・電車通勤の場合、乗ってしまえば目的地まで連れて行ってもらえるので、何をする必要もありません。
ぼーっとすることでアイデアがひらめきやすくなったり、疲れを感じにくくなったりします。
勉強やネットサーフィンもいいですが、たまには通勤中にぼーっとしてみるのもいいかもしれませんね。
10位 気分転換になる
- 職場へ着くまでに心の準備ができる(10代 女性)
- 職場とプライベートを切り替えられる。1人でゆっくり車を運転しながらリラックスできる(30代 女性)
- 気分転換になる一面もあると思います(40代 男性)
10位は「気分転換になる」でした。
長い通勤時間を活かして「プライベートから仕事モードへ」「仕事からプライベートモードへ」の切り替えをしている人もいます。
嫌なことがあっても、通勤時間に好きなことをしてリフレッシュすれば、嫌な気分を引きずらない効果もありそうですね。
通勤時間の許容範囲は50分
最後に「通勤時間の許容範囲」を聞いたところ、平均は「50分」でした。
通勤時間が1時間を超えるとしんどいと感じる人が多いとわかりました。
通勤時間1時間以上の人が対象のアンケートなので、現状は許容範囲以上の通勤時間がかかっていて、疲弊している人も多いと推測できます。
「理想は30分だが許容範囲は1時間」などと答えた人も多くいました。
勤務地や住みたいエリア、家賃・地価の相場などを考慮し、折り合いをつけている人が多いのでしょう。
まとめ
1時間以上かけて通勤している人のうち、8割以上が「通勤時間にストレスを感じている」と答えました。
ストレスの内容はさまざまでしたが、「電車・バスが混んでいること」に起因するストレスが多いとわかりました。
一方職場でも家庭でも忙しい人にとっては、通勤時間はひとり時間を満喫できる機会でもあります。
落ち着いて座りっぱなしで通勤できたり、渋滞なしで車通勤できたりするのなら、よい気分転換の機会になります。
「気分転換できる」「貴重な時間」と捉えられれば、通勤時間が1時間以上でもあまり苦痛に感じないはずです。
座りっぱなしで通勤したいなら、家探しの際に「職場まで乗り換えがない路線の始発駅周辺」を選びましょう。